「米軍基地のあるところ、女性への陵辱・殺害が日常化される」宮崎絢子(ジャーナリスト・放送) 06/01/17


九条の会がすでに4000を超えたとのこと、着実に広がっていることは嬉しいことです。

私の周りでも「憲法九条を守ろう!」「憲法九条こそ日本の宝」と声を上げる人たちが増えてきています。今まで黙っていた人たちも、声を挙げなければと思うようになってきたのではないでしょうか。しかし、依然として改憲勢力の動きは活発でかなり強引。マスコミもその力に引っ張られている感は否めません。私たちは粘り強く着実に、九条を守る運動を重ね、戦争をしない国の生き方を、世界に発信してゆかねばと思います。

 「日本も軍隊をもってこそ一流国になれる」「自衛隊はもう立派な軍隊だ。米軍とともに戦闘訓練もしているし、現状を追認するには憲法を改正しなければ!」という意見を言う人もまた、男女を問わず、私のまわりにも沢山います。この60年間戦争をしない国として、人を殺さずにやってきたことの尊さをなかなか実感できないのでしょう。

“平和だね!”といった老人の表情

今年の成人の日に、戦争で成人を祝ってもらえなかった人たちが、60年目の成人式を祝っているというニュースをテレビで見ました。インタビューに答えていた一人の老人の言葉がとても印象に残っています。「本当に生き延びられて良かった。私たちのときは成人式なんて無かった。兵隊検査はあったけど、成人を祝ってもらった覚えは無いねー。」「一番大事なのは平和だね。二番目は健康、三番目はお金かな?」ハハハとその人は最後に笑いましたが、「平和だね!」といったときの顔はなんともいえず感慨深げでした。

 戦争をする国になるということは無差別に人を殺すということです。

人は誰でも、本当は、平気で人を殺せるものではないのです。平気で人を殺せるようになるために、米軍は色んな教育をしていると聞きます。最近では人殺しのシュミレーションゲームを無料で子どもたちに配っているという報道もありました。

軍隊の本質を、今しっかり見抜くとき

沖縄で米軍基地を無くす運動を続けている人から聞いた話ですが、米海兵隊の教育の中に、「女性を蔑視させる」というのがあるそうです。そのためには自分の母親を軽蔑するように仕向けるのだそうです。このことをアメリカに行って訴えたとき、一人の母親が怒って「そんなことは絶対にない。私の息子が私を軽蔑するなんてありえない。息子に確かめる!」といきまいたそうです。しかし翌日になってその母親はすっかり意気消沈してやってきて「息子に問い詰めたら、ママそのとおりだよといった」と泣いて話してくれたといっていました。

米軍基地のあるところでは女性に対する暴力、レイプや殺人が絶えません。

まず女性を軽蔑し、そして陵辱し、殺害することをなんとも思わない人間をつくるところが軍隊であるということ、人権を認めないことが、彼らの正義であるという軍隊の本質こそ、憲法九条を改定し、憲法24条を変えようとしているものの本質であることを、強く訴えたいと思います