近田洋一/元琉球新報・埼玉新聞記者/ミサイル発射/06/07/05

 


ミサイル発射!

近田洋一/元琉球新報・埼玉新聞記者

親しい友人たちへ BCCでご容赦を。 

僕は予測されていた通り、と見ています。新聞もテレビも大騒ぎするでしょう。大事なのは煽り立てたり(煽り立てあれる)ことをしないで、冷静に判断することです。

(1)差し迫った危機ではない。他国を侵略・攻撃し、そのことによって北朝鮮が得る現実的な利益はない。

(2)軍事・外交上の駆け引き。その際だった目的は急進展する「日米軍事同盟」への揺さぶりです。同盟の急速な加速、進展こそ北朝鮮を挑発したのではないか、とちょっぴりは疑って掛かってみてはいかがでしょう

(3)米・北2国間交渉は進展させるべきです。北朝鮮が最も強く求めているのは「米国との戦争状態の集結」つまり、相手の存在を認め、一方的な体制転覆・破壊攻撃活動をしない、という約束です。米国議会の中でもこれを拒否するブッシュのかたくなな姿勢の転換を求める声が強まっているのです。

(4)核不拡散と超大国(保有国)の責任。国連安保理常任理事国は独占的な核保有国です。核不拡散条約(NPT)はこれらの国にも核軍縮の具体的な実施を求めています。それを進めながらの「不拡散」なのです。ところが米国はこの批准を拒否、より、実践的といわれる核兵器の開発を進め、劣化ウラン弾のように、中東で実際に使われています。

(5)イランや北朝鮮、パキスタンやインドなど、核やミサイルの開発、これに向けた動きが容認出来るはずはありません。批判が有効性を持つためには、は少なくとも次の前提条件を満たすことが不可欠です。

A-保有国は自らの過ちを認め(特に米国は2発の核爆弾投下の誤りを認め、謝罪)軍縮・核廃絶への努力をすること。(イスラエル、最近はインドに対するように)友好国に対しても同時にその実施を求める(やっているのは全く逆です)

B-最も目に見える形としてイラクからの撤退(核兵器など差し迫った危機はなかったのだから) 

(6)日本政府はアメリカに尻尾を降り続けるのをやめ、平和憲法を持った独立国として、しっかりと発言、アジア・中東、他地域でも日本にしかできない、歴史的な役割を果たすべきです。  「そうは言っても」という方がおいででしょう。こう問い掛けてみてください。宇宙船から見た、青く丸い地球に国境はありますか。子どもたちの心に国境はありますか。

「国家」という人為的につくられた奇怪な制度によって、僕たちは大事なものを見失っていないでしょうか。一人一人の努力でこの地球を破壊から守りたい。子どもたちの笑顔を守りたい。このささやかな市民的連帯の感情と、今、自分にできるこtをする。誰にも寄りかからず、自分で判断し、すくっと立って。ファシズム・全体制の起源に民衆の付和雷同があります。いまなすべきのは、これとは無縁です。歴史の経験から学ぶとはそういうことだ、と僕は考えます。 

おどろおどろしい反北朝鮮キャンペーンが始まるでしょう。朝鮮学校の児童・生徒への心ない嫌がらせ、迫害も心配です。子どもたちのせいではないのに。僕はあすから政治への抗議、不当な迫害・暴力を許さない意思表示のワッペンをつけて外出します。当然、職業としてやるべきことはやります。                                                       

近田洋一