仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(103)

米軍ヘリ墜落と「秘密保護法」 13/12/17

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)

 米軍ヘリが不時着に失敗して横転し大破した。尾翼は折れ、回転翼は吹き飛んでいる。
  12月16日。神奈川県三浦市の埋め立て地。
  近隣は水産加工場や水産物の直売所があり、休日にはたくさんの観光客が訪れる場所。その埋め立て地は休日は駐車場として使われているという。
  この事故が土日だったらと思うとぞっとする。
  米軍機事故の危険性があらためて浮き彫りになった。
  神奈川県警が規制線を張ったようだが、その内側にアメリカ軍が規制線を張り巡らして立ち入りを禁止した。
  日本側に調査権はない。「日米地位協定」だ。文句も言えない。日本はアメリカの州以下である。

 厚木基地によるとヘリは、在日米海軍横須賀基地に配備されている原子力空母ジョージ・ワシントンの艦載機で、今年初めに厚木基地に所属。事故当時は飛行訓練中だったというが具体的なルートは明らかにしていない(東京新聞)。
  「ヘリはどこに向かっていたのか?」の質問に、「それは秘密」だと。われわれの周囲は、すでに「秘密」だらけである。そこに「国民の安全」という視点はない。

 そこで「秘密保護法」だ。
  12月5日、あれが採決か!といえる無謀さで特別委員会で「採決」された。
  翌6日、日比谷野音は1万5千人であふれた。国会デモ、銀座デモで「秘密保護法絶対廃案!」「強行採決絶対反対!」の声が轟き渡った。
  深夜11時過ぎ、自民・公明によって成立は強行された。
 
  12日。11・21、12・6集会を成功させてきた実行委員会の総括会議がおこなわれた。
  ぼくは、はじめてその会議に参加させてもらった。「諦めるわけにはいかない」「この運動を続けてほしい」という思いからだった。
  みんなへこたれてはいなかった。
  そこで話し合われたことは
◆いままでの『「秘密保護法」廃案へ!実行委員会』を、『「秘密保護法」廃止へ!実行委員会』に改称して取り組みを発展させる。
◆まだ「秘密保護法」の危険性を知らない人がいる。知らせていこう。
◆廃止に向けての署名にとりくむ。
◆通常国会開会日に国会包囲行動を提起する。
◆法案に賛成した議員は130人。反対した議員は82人。この名前をあらためて明らかにし、宣伝する。
◆来年7月に予定される「国際シンポジューム」を大きく成功させる。
  だ。
  60年安保闘争は組織された労働者と学生が中心だったが、「秘密保護法」阻止のとりくみはあの時代とは大きく様変わりしている。「諦めない市民」が中心である。
  施行させない!廃止させよう!のとりくみは、さらに大きく発展していく予感がする。
  来年は、「秘密保護法」廃止!の年になる。この国を、安倍さんに任せておくわけにはいかないでしょう。
  こころして年を越そう。

 

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