仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(104)
浅田真央ちゃん 見直しました! 14/2/26
仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)
安倍首相の「暴走」ぶり、取り巻き連中のひどさ加減、挙句の果てにNHK会長の「虎の威をかるキツネ」ぶり・・・。脳みそに泥をかけられつづけているきょうこの頃に愛想がつきていたなかで、浅田真央ちゃんの発言に脱帽です。
25日。真央ちゃんは日本外国特派員協会の記者会見に臨んだ。
外国特派員協会だけに、質問内容も一味違いましたね。
森元総理の発言に関してだった。
森元総理の発言とは・・・「見事にひっくり返りましたね。あの子、大事なときには必ず転ぶんですよ」である。この人の頭の中はどうなっているんでしょう。いまさら(もともと森さんに感性を求めても仕方がない)そんなことを言ってもはじまりませんね。
真央ちゃんは冷静でした。こんな彼女を見たのははじめてです。
「私自身、それを聞いたときは終わった後だったので、あゝ”そんなこと言っていたんだな”って思ったんですけど、人間なので失敗することもありますし、しょうがないとは言えないと思うんですけど、やはり、自分も失敗したくて失敗しているわけではないので、それはちょっと違うのかな と思ったんですけど・・・」と。
記者の質問も日本の記者ではできないものでした。「あと5年間、森元総理は東京五輪組織委員会の会長を務めるけど、日本人は耐えられると思うでしょうか?」・・・・真央ちゃんがどう応えるか、固唾をのんで聞きましたね。
彼女は、一瞬、戸惑ったように見えましたが、「私は何とも思っていないんですけど、多分、森さんがああいう発言をしてしまったことについて、少し後悔しているのではないかと・・」と答えたのです。会場から拍手が起きていましたねえ。
なんと、「文化的アンバサダー(大使)としてお伺いします。今後、日韓関係をどう改善していけばいいでしょう」という質問が出た。「おいおい そこまで訊くか」と思いましたよ。ここでも固唾をのんだ。
真央ちゃんは、笑顔で「私が何か言うことはできないと思います」と、軽く受け流した。そして、「でも、私とキム・ヨナ選手は小さな頃からライバルとしてたくさんのメディアの方に注目されてきましたが、リンクを離れれば普通にお話をしたりとか、友だちのような関係だと思っているので・・・」とキム・ヨナ選手との話で交わした。
オリンピックの結果は残念ながら6位に終わったが、「今回のフリーでは悔いなく最後をを終わりたいという気持ちで、いま、悔いなく終わった気持ちでいます」と締めくくった。
臆さない・・・清々しい・・・。国際舞台で鍛えられた成果が、こんな場面にも現れるのだと感心しましたよ。真央ちゃんを見直したし「誇り」にさえ思うようになった。
まだまだフィギュア人生をつづけてほしいなあ。
http://blog.goo.ne.jp/takuzou4108/