仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(117)

映画『渡されたバトン』と新潟知事選 16/10/22

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)

 地元のニュースの「社会時評」に毎月書いているものの転載です。

 映画『渡されたバトン』(脚本・ジェームス三木、監督・池田博穂)の試写を観たのは4年ほど前である。
  作品の舞台は新潟県巻町(現新潟市)。
  1968年 夏。過疎化のすすむ人口3万人の巻町に異変が起きた。角海浜地区の地価が値上がりしはじめた。
  東北電力が巻町に原発を計画していることを新潟日報がスクープした。
  何十億円もの協力金や保証金。
  町民の意見は真っ二つに分かれた。
  そんな最中、1986年のチェルノブイリ原発事故。建設反対派は「住民投票を実行する会」を結成。推進派の圧力にもかかわらず、投票率44%。その95%が原発反対票という圧勝だったが・・・。この作品は、25年にわたる巻町民のたたかいの歴史。
  10月16日の新潟県知事選で、米山隆一さんが圧勝した。県民と野党共闘の勝利だが、新潟県民のたたかいのルーツは「巻町」にあったといっていいだろう。今回の県知事選勝利は、「渡されたバトン」を、たしかに受けついだ県民の勝利だ。



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