仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(123)
「花より団子」ならぬ「花より政治」の季節到来 18/03/29
民放関東シニアの会総会に寄せたものの転載です。
世の中春爛漫だが、政治の世界は、とりわけ安倍政権の前途はお先真っ暗である。
政治の争点は、いま「森友問題」。やっと実現した佐川(元理財局長)国会喚問だったが、「刑事訴追の恐れがあるから」という理由で証言拒否の連発だった。国民の目には「証言拒否」は「安倍総理夫妻隠し」と映ったが、真相に迫りきれないもどかしさも残った。
そのもどかしさをスッキリさせてくれたのが参院予算委員会(3月28日)での小池晃参議院議員(日本共産党)の質問だった。その模様を収録ビデオで見た。小池さんが「昭恵氏が名誉校長を務めているのは、どこの学校か」と問うた。安倍首相は「名誉職に就いていた団体は55件だ」と応えた。「そのうち名誉校長、名誉園長だったのはどこか」と問うた。安倍首相はしどろもどろになり「二つあった」と答えた。その二つとは、加計学園が運営する“御影インターナショナルこども園”と、森友学園が開校予定した“瑞穂の国記念小学院”である。小池さんは「”モリカケ“ではないか。何が『行政等に影響を及ぼしたことはない』だ。国政調査権の発動が必要だ」と、国会による真相解明を強く主張した。痛快だった。森友問題はやっと扉がこじ開けられそうだ。痛快がっているだけではダメだろう。今度は市民の出番である。4月14日の国会前集会に誘い合って参加したい。
放送メディア出身として見逃せないのは「放送法」の「改革」の動きだ。政府内で放送法4条(放送の政治的公平など)の撤廃を含む「放送制度改革」案が検討されているという。フェイク番組が増える恐れのあるこの動きに要注意である。「花より団子」ならぬ「花より政治」の季節到来である。