仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(126)
1月9日付日刊ゲンダイの記事の一部を紹介しよう。
米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設で、「工事反対」に世界的なセレブが参戦した。
映画『ボヘミアン・ラプソディ』が大ヒット中の英ロックバンド「クイーン」のギタリスト。ブライアン・メイが、埋め立て工事中止を求めるホワイトハウスへの請願署名への協力をSNSで呼びかけたのだ。
日本時間7日未明に投稿されたツイッターは、「緊急!!!緊急!!!」で始まり、「米軍基地拡張により脅かされているサンゴ礁とかけがえのない生態系を守るために署名を」などと記されている。
メイには84万人のフォロワーがいて、瞬く間にリツイートは1万件を突破した。
くしくも現地時間6日行われた米国の「第76回ゴールデングローブ賞」の授賞式で、映画『ボヘミアン・ラプソディ』はドラマ部門の作品賞を受賞、ボーカルの故フレディ・マーキュリー役を演じたラミ・マレックも主演男優賞に輝いた。
映画は、日本で昨年公開された洋画の興行収入ランキング1位となっているだけでなく、世界でも興行収入7億ドル(約756億円)を突破し、さらに成績を伸ばしている。
クイーンはもともと日本びいきで、メイは天文学者でもある。
マーキュリーの死後27年を経過し、メイも71歳になっているが、映画の大ヒットでその注目度は往時をしのぐほどだ。
辺野古埋め立て反対の署名は現地時間で7日が締切。
ホワイトハウスが”最善を尽くして対応”するとされる10万筆はすでに超えているが、メイの呼びかけにより、辺野古問題が世界中に拡散された意味は大きい。
(略)
マティスに代わる新国防長官の候補とされる元上院議員も、過去に辺野古移設計画の見直しを提言していた人物だ。
日本政府が「移設する」と言うからそのままにしているだけで、海兵隊のグアム移転を進めている米軍は辺野古にこだわっていないという見方もある。
現地時間7日午後6時現在、署名は19万6000筆。
セレブの呼びかけはどこまで広がるか。
ぼくも署名した一人だ。
米国事情に詳しいジャーナリストの堀田佳男氏は、「(米国は)セレブの呼びかけに大きく反応する国ですし、こうした民主主義を重視する国です。反対の声が増幅され、ひとつの波になる可能性はあります」という。
玉城デニー知事を先頭に、沖縄の人たちは元気にとりくみをすすめている。
連帯の声を、さらに大きくしたい。