仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(44)

東京都安全・安心まちづくり条例「改正」―その動きの慌ただしさの裏に潜むもの―09/03/10

東京都安全・安心まちづくり条例「改正」のその後

 

仲築間 卓蔵(元日本テレビプロデューサー)

 

 

 治安維持法の「東京版」になるかも・・・と、その行方を注目していた「東京都安全・安心まちづくり条例」のその後を報告しなければなりません。

 

 この条例「改正」は、都議会の総務委員会、警務消防委員会で論議され、3月27日の本会議で、日本共産党、ネット議員らの反対を押し切って、自民、民主、公明議員らの賛成多数で採決が強行されました。

 

 「改正」の内容は、「繁華街を訪れる来訪者に“大衆に多大な迷惑となるパフォーマンス等、街の秩序を乱す行為”を自粛する責務などを課し、事業者などの民間パトロールや警察官の“必要な措置”によって、防犯を強化しようとするもの」でした。

 

 「迷惑」を理由に、表現活動(パフォーマンス)を制約しようとするこの「改正」が、表現の自由に抵触する危険があると感じた各界、各層の人たちは、間髪をいれず都議会への要請行動を展開しました。

 

 とりわけ、自由法曹団東京支部の迅速な問題提起、行動定期に感謝しなければならないでしょう。

 

 にもかかわらず、この「改正」は、わずか2時間半の委員会質疑で通ってしまいました。

 

 しかし、一方では、批判の広がりのなかで、都は「懸念打ち消し」に奔走せざるを得なくなって、委員会では次のような答弁が繰り返されたそうです。この答弁は、警視庁によっても確認されています。

 

 答弁の内容を自由法曹団東京支部のまとめで紹介しましょう。

 

◇事業者などの自主的な活動を推進するためのもので、第三者に対して権利を制限したり、規制をするものではない。

 

◇警察官や事業者などが行う「必要な措置」は、パフォーマンスなどの街頭行為に対する個別的な指導や注意・要請を含まない。

 

◇一般交通に著しい影響を及ぼさないビラ配布は自由とした有楽町事件東京高裁判決(検察の上告なく確定)の基準は変わらない。

 

◇指針に「規制を課すものでない」ことを明記し、広報などでも徹底する。

 

 自由法曹団東京支部は、条例「改正」に抗議する声明で、「万が一にも答弁を逸脱して表現活動への干渉。介入などが行われることがあってはならない。

 

 東京支部は、「改正」条例の運用を厳しく監視するとともに、広範な団体・個人とともに街頭での言論表現の自由を守り、発展させるために全力をあげるものである」(3月27日)としています。

 

 そこで、ソマリア沖派兵・海賊対処法反対・街頭宣伝です。

 

 自由法曹団からの提起に応えようではありませんか。

 

◇4月9日 国会要請行動 11時~13時 衆議院第一議員会館第1会議室

 

◇4月18日 有楽町マリオン前で宣伝

 

 *終わって花見もいいかもしれませんね。