仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(50)
メディアは「頭の中」を切り替えなきゃ09/09/18
メディアは「頭の中」を切り替えなきゃ
仲築間 卓蔵(元日本テレビプロデユーサー)
8月30日。自公政権は無惨に崩壊しましたね。
国民生活は無視しっ放し、アメリカにはもの言えず、従属しっ放しの自公政権に、日本国民はきっぱりとNO!を突きつけたのです。
9月16日。「自公政権NO]の風に乗って圧勝した民主党を中心にした新政権がスタートしました。
民主党、社民党、国民新党の3党の連立政権合意書では、「沖縄県民の負担軽減の観点から、日米地位協定の改定を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」という文言が盛り込まれています。
アメリカでは、政権交替した場合、「100日のハネムーン期間」(しばらくお手並み拝見)があるといいますね。
日本の新政権も、インド洋給油、米軍への思いやり予算、基地問題など直面する外交課題がありますが、連立合意を励まし、見守っていく必要がありますね。
だが、残念なのはメディアの姿勢ですよ。
世界が、日本が変わっていく時代に入っているという認識がないように思えてならないのですよ。相変わらず「二大政党論」にこだわって、「自民党再生の道は?」などと、あたかも次の総選挙ででは「揺り戻しの風」が吹くかもしれないような捉え方です。
自民党総裁選の取り上げ方にしても、ある候補の「良質な保守層を結集して、自民党独自の政策を」という言葉を垂れ流していましたね。「独自の政策」とは、「アメリカ従属をさらに強化します」「財界の気に入ることをやります」でしかないじゃありませんか。次の総選挙で自民党に「風」が吹くなどということはありえませんよ。日本国民を馬鹿にしちゃいけない。時代は変わり始めているのです。
にもかかわらず、主要メディアは「アメリカとの関係を見直す」ことに危惧を抱いていますね。
元東大教授の桂敬一さんは、「日本の対米関係の特徴は、メディアが大きな自閉の枠組みをつくり、それが、対米従属にのほかならない関係であることを国民に対して隠蔽、その枠組みのなかで、アメリカの後ろ盾を権力や権益の源泉とする政治家、大企業、政府に、当然のように果てしのない対米従属を許す結果を招いてきた―ーと押さえることができる。このような状況のなかでは、従属も従属と意識されず、無意識のうちに従属が習慣となれば、人は従属を失うことをこそ怖れることにもなる。
今回の選挙は、そうした従属を断ち切るまたとない機会となるはずだったのに、メディアがいちばん従属からの脱却を怖れているのが実情だ。日本は結局、変われないのだろうか」と指摘しています。そう思いますね。
メディアも、あたらしい道に向かって、頭の中を大きく切り替える時期ですよ。
期待したいねえ。