仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(54)東京の空に「普天間基地即時無条件撤去!」の声10/04/17

 

 

東京の空に「普天間基地即時無条件撤去!」の声

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデュサー)

 

 

 4月14日(水)。日比谷野外音楽堂。
  『沖縄県民と連帯し、普天間基地の即時・無条件撤去を求める4.14中央集会』です。
  開会にはまだ30分もあるというのに、はやくも満員状態。早めに出かけたのが正解でしたねえ。開会時には参加者が場外にあふれていました。5000人を超えたといいます。
  「マスコミ九条の会」の幟旗の下には広告、映画、民放、印刷、新聞の面々が集まった。夜になると冷え込むという予報でしたが、寒さは感じない。会場の熱気のせいでしょうね。

 集会実行委員会の主催なのですが、政党の参加は日本共産党だけでしたね。普通なら社民党の福島さんあたりも挨拶するところでしょうが、姿はありませんでしたね。「与党」という立場に気兼ねしたのでしょうかね。
  挨拶に立った日本共産党の志位和夫さんは、「『移設先』探しそのものが間違っている。日本のどこでも(米軍基地は)歓迎されない。政府は無条件撤去を求めてアメリカと交渉すべきだ。基地のない日本、独立・平和の日本への道を切り開こう」と訴えました。
  沖縄から駆けつけた代表、徳之島からきた女性、岩国、神奈川、横田から・・・発言がつづきました。
  集会アピールの最後だけ紹介しましょう。
  「沖縄県民が島ぐるみで“基地のたらい回し反対!”と声をあげているとき、全国が連帯してたたかうならば基地を動かすことができます。全国津々浦々から“沖縄に新基地をつくらせるな”“普天間基地を無条件撤去せよ”の声をあげ、“基地のない沖縄”“基地のない日本”をつくりだそうではありませんか。巨大なうねりで、あたらしい歴史の1ページを切ひらきましょう」
  大拍手で採択されました。
  参加者全員が、青地に白抜きで『基地 NO!』と書いた紙をかかげて「普天間基地を無条件撤去せよ!」のシュプレヒコールです。東京の空にこだましていきましたよ。

 国会に向けてデモ行進に移りますが、5000人を超えたとなると出発に時間がかかる。待つ間に、久しぶりに『沖縄を返せ』を歌いましたよ。「おォきィなわを返せぇ おきなぁわを返せえ」。参加者から声があって 歌は何度も繰り返されましたねえ。
  取材ヘリらしきものが、上空を二度三度通過しましたが、その日の放送は、翌日の新聞は報じたのでしょうかね。わたしのところはいま朝日新聞ですが、書いていませんでしたね。大手メディアには興味がないんでしょうか。

 4月9日におこなわれた『東京のテレビが伝えない普天間問題の真実』(日本ジャーナリスト会議放送部会、放送を語る会共催)で緊急報告した琉球朝日放送のニュースキャスター三上智恵さんの 「中央メディアの関心は(新党騒ぎなどの)政局。(普天間問題などの)問題解決のためにやっているわけではない」という言葉を思い出しましたよ。
  ついでに、彼女の発言をちょっと報告しておきましょう。
  慎重な言い回しでしたが鋭いものでした。「日本にジャーナリズムはないと思ったら、沖縄にあった」といわれたそうです。たしかに沖縄の新聞・放送と東京の報道は雲泥の差です。その「温度差」は違いすぎる。彼女も基地問題を扱っていくつもの賞をもらっていますが、全国放送されたとしても深夜。多くの人に見られる時間帯ではありません。
  「基地反対」に拘り続けていることに対して、「いいかげんにしてほしい」と言われるのだそうです。どうやらネットワークの会議でのようですね。「温度差」の根源の一つが見えましたね。
  彼女は「敵は誰なのだろう」と自問します。そして、「安保」だと自答します。
  ズバリとは言いませんが、発言のウラに「その国の政治のレベルは、その国の国民の政治的レベルで決まる」という思いが脈打っていましたね。
  彼女の「気概」を支えたいものですねえ。そのためには何をすればいいか・・・・。一工夫も二工夫もしなければなりません。
  マスコミ九条の会や 日本ジャーナリスト会議はしっかりしなければなりません。
  大手メディアも、「アメリカへの気兼ね」から脱却してほしいのですがねえ。
  18日には徳之島で一万人集会が、25日には沖縄で十万人集会が予定されています。25日には、たしか東京でもあると聞いています。大事な季節になりましたね。