仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(67)

「内閣不信任案」・・・あなたならどうする? 11/06/03

 

「内閣不信任案」・・・あなたならどうする?

 

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)

 

 寒かったり熱かったり、それでも夏はそこまできていますね。
  ご機嫌はいかがですか。
  「ご機嫌どころではないよ、内閣不信任を巡っての日本共産党の態度はなんだ?」と怒っている人もいるでしょうね。
  そんなこともあって、久しぶりに書き換えました。よろしく。

 内閣不信任案の採決の模様をみながら、いろんな意見が出ましたねえ。「NHKの『日曜討論』で、日本共産党の穀田国対委員長は、自民・公明とは立場が違うが、”内閣不信任案”が出されれば賛成すると言っていた。出されたら”棄権”だという。どうなっているんだ」と声高にいう人もいましたね。
      そのことで盛り上がりそうでしたが、別件があって退席し、次の会合に移りました。
      場所は 有楽町の「SCORPION STAZIONE」というイタリア料理の店です。
      感じのいい店でしたねえ。店員さんがいいんですよ。イタリアワインだと「キャンティー」が定番でしたが、そこで
      薦められたのは、同じトスカーナ地方の「Etra e China」(エルタ・エ・キーナと読むそうです。”キーナという
      薬草の生える斜面”という意味だそうです。重くて美味かったねえ。
  良い店だったので、つい話が横道に反れました。内閣不信任案と日本共産党の対応でしたね。
  帰宅したら、信頼する友人からメールが入っていました。「共産党が内閣不信任案に棄権することを決めたそうですね。正直、失望しました」「共産党は最初は不信任案が否決されるだろうという予想のもと、反対票を投じることを決めていたものの、可決されそうになったので棄権したと報道がありました。棄権の理由は、党利党略に巻き込まれたくないとも伝えられていますが、本当でしょうか」「この期に及んで賛成でも反対でもないというのなら、共産党はいったいどうしたいのでしょうか」「これこそ、私には共産党の党利党略に見えてしまうのです」・・・・・大要 そんな意見でした。

 日本共産党に訊いたわけではありませんが、ぼくの感想をいいましょうね。
  たしかに、穀田恵二国対委員長が、NHKの『日曜討論』で「自民・公明とは立場が違うが、不信任案には賛成する」といっていました。事実です。
  不信任案の採決で「棄権」。事実ですね。
  さあ そこで、冷静に「この数日」を振り返ってみましょうよ。
  3.11以降の菅内閣の対応(やたら会議をつくるが具体的な進捗が見られない、大震災のどさくさに紛れて、TPPや消費税増税論、漁業・農業の”会社化”、道州制の目論み・・・など、あげれば切がありません)は、従来の自公政権よりひどい政治に突き進む感じでしたよ。
  不信任案が出されるとしたら、あなたならどうします?。ぼくだって不信任に賛成しますね。

 ところが どうでしょう。不信任案提出を前に やたら水面下で動きがありましたね。
  「不信任案の前に国会解散に打って出るのでは」という報道もありました。小沢グループの動きも報じられました。鳩山氏が2回も菅首相と会っていましたね。「解散が怖い」という議員もいたようです。「亀井静香氏が引導を渡した」なんてことも報じられた。「結局、(退陣の日取りははっきりしないが)退陣する約束をしたらしい」ということでしたね。
  知人の多くは、「不信任案は否決されるよ」と言っていましたよ。
  このような状況を何と表現するのですかね。「茶番劇」といっていいでしょうね。
  真剣に「不信任」を考えている側からすれば、「いい加減にしろ!」と言いたくなりますよ。「そんな茶番劇に付き合っていられるか!」・・・・・日本共産党が「棄権」という対応に変わったのは当然だと思いますよ。まじめに「不信任案に対する態度」を考えていたら、ぼくだって「いい加減にしろ!」と怒りたくなりますよ。「棄権」は、「茶番劇」に対する「いい加減にしろ!」の意思表示でしょう。あなただっら どうしますか?。
  これを「党利党略」というのでしょうか。
  わたしたちは、一瞬立ち止まって、冷静に判断しようじゃありませんか。
  日本共産党が、今回の判断にどのような見解をだすか知りませんが、ぼくは、「棄権」はまともな判断だったと思うのですよ。
  みなさん「政局」がお好きなようですが、この国は 大きな曲がり角に直面していると思いませんか?。
  近い将来、国会解散・総選挙ということになるでしょう。原発(時間はかかりますが)からの撤退、早急に「自然エネルギー」への移行、「国民生活第一」の国の予算の抜本的組み変え・・・政治が決断すればできるのです。そんな政治にしたい。そのチャンスは間もなくくるでしょう。
  この際、あれこれの「政局報道」にうろうろすることをやめて、一人ひとり 冷静に「生活を」「この国の行く末」を考えようじゃありませんか。
  気候の変わり目です。御身大切にお過ごしくださいね。


 

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