仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(78)

金正日総書記死去で思い出したこと 11/12/20

 

金正日総書記死去で思い出したこと

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)

 

 12月14日。なかのZERO大ホール。「いのちを歌う あしたを語る」へのご参加ありがとうございました。
  900名を超える参加でした。
  12月だというのに30分も延びるなど、舞台進行担当としては反省の多いイベントでした。日頃から「こんな集まりならまたきてみよう」と思っていただけるものにするために、その都度工夫をこらしてきたのですが、今回はきわめて不十分なものとなってしまいました。
  次回は、今回の反省をこころにとめて努力いたします。今後ともよろしくお願いいたします。

 そんな矢先、金正日朝鮮労働党総書記が17日午前8時30分、現地指導の際、過労により列車内で死亡したという報道がありました。死因については、心筋梗塞を起こし、心原性ショックを併発したためだそうです。
  後継者については、朝鮮労働党中央委員会、党中央軍事委員会などが連名で発表した報道文には、「尊敬する金正恩指導者の領導に忠実に従おう」とあり、金総書記の三男の金正恩中央軍事委員会副委員長(28歳)が後継者となることを示唆しています。
  日本政府は安全保障会議を開催し、不測の事態に備え万全の体制構築を指示したといい、韓国も国家安全保障会議を緊急招集。中国も国境警備を強化したといいます。
  何年前でしたか、「テポドン」の発射訓練で大騒ぎしたことがありましたね。韓国海軍の哨戒艦が沈没した事件もありました。哨戒艦のときは、(事件の真相がわからぬまま)鳩山首相(当時)は「だから”抑止力”が必要」といい、沖縄の基地の重要性を強調したものです。
  原発問題に収束のメドはたたず、被災地復興は掛け声ばかり、TPPは・・・消費税は・・・年金は・・・。国民の怒りが増すばかりのいま、金正日総書記死去への対応が「目くらまし」に利用されないように注目する必要がありそうです。

 後継者問題で思い出したことがあります。
  2009年7月。韓国記者協会主催のジャーナリスト世界会議に参加したときのことです。ぼくが参加した目的は、北朝鮮に詳しい慶南大学教授・LIM EUL-CHOOL(リン・オンチョル)さんの話を聴くためでした。
  リン教授はいいます。「後継者といわれているのは金正恩。26歳(実際は23歳、業績を上乗せするために年齢を多くみせるという)。北朝鮮は内部的後継者を急いでいる。金正日総書記の健康問題」と。
  2009年に23歳だといいますから、いまは25歳ということになります(発表は28歳となっている)。
  金正恩氏が軍事委員会副委員長になったとされるのが2010年9月ですから、リン教授の予測は当たっているといえますね。
  リン教授はさらにつづけます。「ただちに金正恩体制にはならないだろう。後見人が仕切ることになる」「その後見人は、金正日の妹婿のチョン・ソンテツ氏。この人は国内で支持が多い」と。
  そこで北朝鮮はどのようになるのかに関心が集まります。
  リン教授は、「内部で変化の可能性が高い」「どのように変化させていくか さまざまな(人権問題、経済協力、軍事的なものも)要素を少しづつ替えることになるだろう」と。

 いまのところ、体制はリン教授の分析どおりにすすんでいるように見えます。
  国際社会の責任ある一員としての道をすすむ条件をつくりだす土壌は(不確実ながら)つくられていくことになるかもしれません。この際、北東アジアの平和に向けて、日本も外交的努力をする時期にきているといえます。
  いろんな意味で、いま 日本は重要な局面にあることをつくづく認識させられていますよ。
  いろんな場所でああでもないこうでもないと話し合いながら、注意深く見守っていこうではありませんか。
  よいお年をお迎えください。

 

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