仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(79)

謹賀怒龍年 12/01/02

 

謹賀怒龍年

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)

 

 革新都政の会ニュースに寄せた「新春随想」です
 年初のご挨拶としては 手抜きかな。

  私の賀状。ことしは
   あけまして めでたいかどうか・・・
   おわってみなければわかりませんが
   謹賀怒龍年
   激動之年 選択之年
   ことしもよろしくおねがいします
   2012年 はじめに 
です。

  「漂流」状態の民主党内閣は、昨年末も押し詰まったタイミングで本性を露呈しました。
 普天間飛行場の移設に向けた環境影響評価書(アセスメント)を、こっそり沖縄県庁に運び込んだのは12月28日未明。
 翌29日には、「コンクリートから人へ」のマニフェストを投げ捨て、八ッ場ダム「建設再開」を決定。
 その日の夜の同党税制調査会は、2015年10月までに消費税率を10%とする案をまとめたのです。
 原発事故の収束も、被災地の復旧・復興の目途も立っていないというのに、「国民のいのちと生活」は置き去りにしたままです。『龍』も怒る年になること必然です。

  教育問題や大型公共事業など難問山積の東京都政ですが、生活時間の半分を都内で費やしている身として心配なのは「大震災」です。
 石橋克彦・神戸大学教授が衆院予算委員会公聴会(2005年2月23日)で公述した話を思い出しています。それは
 「日本列島はほぼ全域で大地震の活動期に入りつつある」
 「どういう震災が起きるか・・・広域複合愛震災、長周期震災、超高層ビル震災とかオイルタンク震災。そして、原発震災というものが将来起こりうる」
 「人類が、まだ見たこともないないような、体験したことこともないような震災が生ずる可能性がある」
 「巨大地震が起きると、非常にゆったり大きく揺れる長周期の地震波を放出する」
 「最近の超高層ビルは制震装置というのを備えて揺れを抑えるといわれているが、まだ実際の長周期震動に洗礼されたことがない。その構造物自体が損傷するかもしれない。これが長周期震災」
 「オイルタンク火災、コンビナート火災は、津波によって火のついた油を乗せた海水が市街地に遡上して、市街地延焼化作用を誘発することも起こりうる」
 というものでした。
 この警告は、予算委員長(当時は自民党)の「ありがとうございました」の一言で片付けられています。
 しかし、石橋教授の公述どおりのことが、6年後に起きたのです。

  いま、巨大地震による長周期震災が東京に起きたら・・・。
 オリンピック誘致や、1メートル1億円の道路建設などを発想すること自体 不思議です。
 安心して住み、働きつづけられる東京にしていきたい。
 その「思い」をあらたにしている『龍年』の初めです。

 

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