仲築間卓蔵/元日本テレビプロデューサ-/連載「六日のあやめ 十日の菊」(92)

「人にやさしい都政」をつくるチャンス到来 12/11/07

仲築間卓蔵 (元日本テレビプロデューサー)

 任期途中で都政を放り投げた石原慎太郎知事。
  その後任をどうするか・・・。あちらこちらで真剣な会話が飛び交っていました。
  みんながやきもきしているとき、力強いニュースが飛び込んできましたよ。
  東京新聞(11月6日、夕刊)は「都知事選 宇都宮氏 出馬に含み 反貧困・脱原発求める声明」と題して、「評論家の佐高信氏やジャーナリストの荻原博子氏らが六日、都庁で記者会見し、反貧困や脱原発を実現する都政を求める声明を発表した。声明に賛同した著名人四十人を中心に”人にやさしい都政をつくる会”を発足し、統一候補を擁立する」「会見に同席した前日本弁護士連合会会長で東京弁護士会所属の宇都宮健児氏(65)は、候補者が見つからなかった場合について”(自身の立候補を)検討せざるを得ない”と出馬に含みを持たせた」と報じたのです。

 発表された「声明」は、胸のすくような内容です。
  紹介しましょう。

      <声明> 私たちは新しい都政に何を求めるか

 惨憺たる石原都政の13年半であった。
  福祉は切り縮められ、都立病院は次々と統廃合された。都民の安心を奪い、人々を生き難くさせて切り詰めたお金は、都市再開発や道路建設に回され、知事が旗を振るオリンピック誘致や新銀行に無意味に蕩尽された。
  惨状を極めたのが、教育現場である。民主主義が破壊され、強制と強要と分断が横行した。教師たちは誇りを踏みにじられ、精神を病み、教壇を離れていった。子どもたちは競争に追いやられ、教室は荒んだ。都立大学は破壊されてしまった。
  知事の思いつきと独善、押し付け、決め付け、他者を命令・服従の対象としか見ることができない貧困な想像力、剥き出しの偏見と差別意識、公私混同、乱暴な言葉――それらが多くの人の心を傷つけ、公正と公平を貶め、排外主義を助長し、弱い者をさらに追い詰め、社会を荒廃させた。
  昨年3月11日の東日本大震災と福島原発事故は、改めて私たちに、原発に依存する暮らしのあり方、社会のあり方に反省を迫るものだった。福島や新潟にある原発から生まれた電気は、ほとんどすべて東京など、首都圏に送られ、使われているのだ。震災と原発事故直後の石原知事の発言は、「津波をうまく利用して、我欲を洗い流す必要がある。これはやっぱり天罰だと思う」という驚くべきものだった。さらに、原発事故による未曾有の被害が徐々に明らかになり、おびただしい人々が避難生活を余儀なくされているとき、市民の間で広がり始めた脱原発運動を罵倒しつづけてきた。
  そして最後は、東京都政とは何の関係もない尖閣問題に火をつけ、日中関係を極度に悪化させ、経済を大混乱させたのである。その挙句、何の責任も取ることなく、知事職を放り出した。この尖閣問題の経過ほど、石原都政の年月を象徴しているものはない。

 来る都知事選は、このような都政と訣別し、人々が人間らしく生きられる街、平和と人権を尊び、環境と福祉を重視する、いわば「当たり前の都政」に転換する絶好の機会であると私たちは考える。石原都政の継続や亜流を、決して許してはならない。
  自治とは、住民の暮らしを守り、福祉を増進させることを本旨とする。教育とは、自ら学び考え、議論を深め、合意を作り上げていく、民主社会の次の担い手を育てることである。東京都政を、こうした自治の原点に戻さなければならない。荒れ果てた教育現場を建て直し、次の世代と私たちの未来を救わなければならない。
  あまりにも、いまの時代は人々が生きづらい。失業、非正規労働、過労、格差、貧困の拡大と福祉の切り下げによって、若者も子育て世代も高齢者も苦しんでいる。その上、国政は、混迷、混乱に加えて右傾化の度合いを増し、改憲や集団的自衛権の行使、近隣諸国との紛争に突き進んでいるように見える。この流れを止めなければならない。
  いま、東京都知事を変えることは、日本の右傾化を阻止する力になると私たちは考える。

 では、どのような都知事を私たちは求めるか。
  第一は、日本国憲法を尊重し、平和と人権、自治、民主主義、男女の平等、福祉・環境を大切にする都知事である。
  第二は、脱原発を確実に進める都知事である。石原知事は、原発問題を「ささいな問題」と呼んだが、冗談ではない。東京都民は福島原発からの電気の最大の消費者であり、東京都は東京電力の最大の株主だ。福島原発事故の結果、豊かな国土が長期にわてって使えなくなり、放射能汚染による被害は、むしろこれから顕在化する。原発事故と闘い、福島をはじめとするこの事故の被害者を支えることは東京都と都民の責任である。これまで原発推進政策を推し進めてきた政官業学の原子力ムラと闘うことは、この国の未来を取り戻すことである。政府、国会、経産省、東電を抱える東京での脱原発政策は、国全体のエネルギー政策を変えることになる。
  第三は、石原都政によってメチャメチャにされた教育に民主主義を取り戻し、教師に自信と自立性を、教室に学ぶ喜びと意欲を回復させる都知事である。
  第四は、人々を追い詰め、生きにくくさせ、つながりを奪い、引きこもらせ、あらゆる文化から排除させる、貧困・格差と闘う都知事である。

 以上のような都知事を私たちは心から求める。このような都知事を実現するため、私たちは全力で努力する。
                                 2012年11月6日
   赤石千衣子  木村結    暉陵淑子
   雨宮処凛   小森陽一   寺西俊一
   池田香代子  斉藤駿    中山武敏
   稲葉剛    斉藤貴男   西谷修
   上原公子   早乙女勝元  堀尾輝久
   内田雅教   佐高信    前田哲男
   内橋克人   佐藤学    山口二郎
   宇都宮健児  澤田猛    渡辺治
   大江健三郎  澤藤統一郎
   岡本厚    柴田徳衛
   荻原博子   品川正治
   奥平康弘   杉原泰雄
   海渡雄一   高田健
   鎌田慧    俵義文    以上 40名
   河添誠    崔善愛   (11月5日23時現在)
   北村肇    辻井喬


このポスターは
ドイツ・ミュンヘン郊外にあったダッハウ収容所(現在は博物館になっているそうです)
に展示されているのを、ぼくの友人が撮影してくれたものです。
ヒトラーが台頭してくる時期のポスターです。
   描かれている人物の顔は すべて「閉塞感」に満ちたものになっています。
   いまの日本と比較してどうでしょうか。

 「私たちの 最後の 希望  
             ヒトラー」と書かれています。
 
  あの頃 ドイツの人たちは「問題はあるかもしれないが 一度任せてみたら・・・」とヒトラーを持ち上げたのだそうです。
  「まさか あんなになるとは思わなかった」といいます。
  あの時代に戻ってはいけませんね。
  東京都知事選、そして いつあってもおかしくない解散・総選挙。
  大事な大事な「一票」。大事に使いましょうよ。

「ところで君は 都知事に誰を推すのかね」ですって?
  ぼくは、かねてから宇都宮健児さん(プロデューサー時代 一度 銀座の事務所でお会いしただけですが・・もちろん宇都宮さんは記憶にないでしようが)がいいんじゃないかと、周りの人たちと話し合っていたのですよ。「反貧困」で頑張っている印象が強烈ですからね。
  「宇都宮さんにしたい人 この指とまれ」です。
  みんなで指を掲げ合って 宇都宮知事を実現させましょうよ。

  http://blog.goo.ne.jp/takuzou4108/