視角/ 丸山重威 (関東学院大学教授) (JCJジャーナリストより転載)15/10/24
戦争法1ヵ月
戦争法が成立して1カ月余。安倍首相は「アベノミクスは第2段階。参院選では改憲がテーマ。一億総活躍社会を作る」と宣言。全員「日本会議」の右派総結集で内閣を作ったが、デモと追及を恐れ憲法に基づく臨時国会召集も拒否。一方、運動の側は「これからが闘いだ」と、毎月19日の総掛かり行動など大小集会が目白押し。「野党協力を」の声も強まっている▼国会を逃れた首相が国連で打ち上げたのは「法改正で一層の国際貢献が可能になった。常任理事国に入れて」という大国主義。非常任理事国には当選したが、難民受け入れを聞かれると「人口問題として言えば我々は移民を受け入れる前に女性の活躍と高齢者の活躍」という恥かしい答えだった▼なぜこんなに一生懸命分からないが、米財界の「代貸し」になったTPPでは、農産物95%、工業製品100%の関税撤廃。怖いのは進出企業万能の「投資家対国家紛争解決」(ISDS)制度や、特許、保険など重要項目だが、すべて説明しないまま。ことは「日本の文化」の問題だ▼辺野古問題では翁長知事が埋め立て認可を取り消したが、防衛省は執行停止と異議を申し立てた。国の異議申し立てを別の省が審査するというあり得ない措置だ。改造人事では「うちわ」でなく「カレンダー」を配った閣僚、補助金を受けた企業、指名停止の企業からの献金を受けた閣僚各1人、昔の「下着ドロ」疑惑の閣僚も1人▼国会召集要求拒否はそのまま民主主義と立憲主義の不在を示している。やっぱり、安倍内閣は退陣しかない。