桂敬一/日本ジャーナリスト会議会員/メディアウォッチ19/「内閣打倒」を叫ばなくなったメディアのいま―参院選前の失政糾弾は公平・公正にもとるか―/07/06/05
「内閣打倒」を叫ばなくなったメディアのいま
―参院選前の失政糾弾は公平・公正にもとるか―
日本ジャーナリスト会議会員 桂 敬 一
5月28日・毎日(朝刊。以下の各紙も同)発表の世論調査では、安倍内閣支持率は32%(前回=4月は43%。以下同じ)、不支持が44%(33%)で、支持・不支持が完全に逆転、支持率は過去最低となった。同日の日経の調査発表でも、支持は41%(53%)、不支持が44%(37%)と、同様の結果が明らかになり、この支持率急落は各界の大きな注目を集めた。
つづく翌日は朝日が、支持36%(前回=5月中旬調査は44%)、不支持42%(36%)の結果を発表したが、この日の朝刊1面は、松岡利勝農水相の自殺がトップ・ニュースだったため、二つの情報の相乗効果が政界に激震を走らせた。朝日の連続調査では、年頭に支持率が37%まで落ち、その後、それが緩やかに回復に向かい、前回調査時点には44%まで復旧していたのだから、政権にとっては手痛い誤算が生じたといえよう。
5月半ばごろは、読売の世論調査(5月22日朝刊)でも、支持率が49.6%(前回=3月は43.8%)まで回復(不支持は前回の43.9%から36.8%に減少)、読売はこれを、支持率落ち込み後、「初の上昇」と報じ、さらにその理由を、「首相周辺」の見方として、「首相が憲法改正や公務員制度改革などの重要課題に強気で取り組んだことが国民の評価につながった」と伝え、政府・与党は「さらなる支持率上昇への自信をにじませ」、「参院選向け 与党自信」とする見通しを、明らかにしていた。
ところが、その後の支持率は毎日、日経、朝日の上記調査のとおりであり、さらに朝日は6月4日の朝刊で、また新しい調査(6月2・3日実施)の結果を伝え、安倍政権に追い討ちをかけるかたちとなった。すなわち、支持30%、不支持49%がその結果であり、支持は前回の最低からさらに続落、20%台になると政権維持が不可能といわれる、ぎりぎりの線にまで下降しつつある事態がさらけ出されたからだ。
また、共同通信の6月1・2日実施の世論調査でも、支持35.8%(前回=5月中旬47.6%)、不支持48.7%(38.2%)で、安倍内閣は発足以来、最低の支持率に見舞われた(各紙は6月3日報道)。
◆安倍政権支持の根拠薄弱な浮き沈みとメディアの役割
06年9月、発足直後の安倍政権は政治的実績がなにもないのに、多少のばらつきはあったものの、各紙世論調査において、60%をはるかに超え、70%を前後する高い支持率を、軒並み獲得していた。小泉前首相の郵政民営化総選挙や靖国参拝でみせた強気の姿勢が若者の人気を博し、それが高い支持率に結びついていたが、そうした路線を安倍首相こそ受け継ぐものと、小泉支持者たちは思った節がある。だが、安倍氏は首相就任直後、中国との関係改善に踏み切り、靖国参拝を控えるなど、小泉路線を修正するともとれる行動をみせ、そうした支持者の期待を裏切った。
またその後、安倍首相が登用した本間正明政府税制調査会会長(大阪大学教授)が、東京で国家公務員宿舎を借りて愛人と同棲していた事実を、週刊誌にすっぱ抜かれて辞任、さらに佐田玄一郎行政改革担当相が架空事務所費計上問題で辞任するなど、スキャンダルが続発、任免権者としての首相の評判もガタ落ちとなり、支持率が急落した。
化けの皮が剥がれかかった首相と側近たちは、その後慌てて、総裁選・組閣の段階で自分たちを支えてくれた支持層の動向をあらためて再検討した結果、安倍氏個人の、みかけスマートな魅力と、政治リーダーとしての毅然とみえる姿勢とを、メディアの場でふんだんに振り撒いていくことが人気回復のカギになると判断、それに役立つことならなんでもやる、といわんばかりのメディア操作を展開しだした。
07年年頭には、自分の内閣任期中に改憲をやる―ことしの参院選の争点は改憲だと、高らかに宣言した。屠蘇気分のまだ抜けない1月9日の全国紙・ブロック紙には「ウォームビズ」(政府広報)の全面広告に首相みずから、ファッションモデル然としたポーズの写真で登場した。通常国会に向けては、改憲手続法案=国民投票法案の迅速審議を指示、組閣と同時に発足させた教育再生会議にゆとり教育見直しを柱とする「第1次報告」を出させ、教育改革関連3法案を国会に提出した。また、たるんだ公務員、特権化した役人への批判を強め、社会保険庁廃止を狙った年金制度改革、役人の天下り規制を謳う公務員制度改革の方針も明らかにした。また、防衛省発足とともに日米同盟強化の具体化も急ぎ、在日米軍再編推進特措法案を国会にかけ、イラクの航空自衛隊駐留継続に必要なイラク特措法の延長方針も、早々とうち出した。
これらの政策を陣頭指揮する安倍首相の姿は、節目節目でテレビや新聞のうえに頻出するようになった。やがて人気回復の手応えを感じてか、首相は4月、春の例大祭に際して靖国神社に「内閣総理大臣」名で神事に使うサカキの鉢1基を供物として奉納、タカ派支持者の輿望にも抜け目なく応えた。また、衆院で強引に通した国民投票法案の参院審議に臨んでは、与党提案による議員立法の審議であるにもかかわらず、まるで政府提案に基づく審議であるかのように、野党質問の前面にみずから立ち、強気の答弁を繰り返した。これらの情景がメディアのうえに何度も出たせいか、いったん落ちるところまで落ちた観のあった支持率は5月中旬、ようやく盛り返すところまできていた。
◆国民とメディアをなめた安倍内閣の支持率回復策
しかし、朝日(6月4日朝刊)がいうとおり、「ずさんな年金記録問題への政権の対応や、自殺した松岡利勝前農林水産相をめぐる『政治とカネ』の問題への批判」が原因となって、安倍内閣に対する支持率減少は、止まるところを知らぬ勢いとなり、首相の政権運営と自民党の参院選対策も、にわかに混迷を深めるなりゆきとなった。
5月末の世論調査(毎日・日経・朝日)で支持率急落が明白となったわけだが、「年金」問題への不信と怒りは、この段階でもすでに勃然たる動きをみせだしはじめていた。また、参院における短時日での国民投票法案成立(5月14日)以降、そうした強引な政治手法が、集団的自衛権を研究する有識者会議「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」の立ち上げ、在日米軍再編推進特措法成立、改正少年法成立などをめぐっても連続してとられ、さらに5000万件もの帰属不明な年金記録の存在が発覚すると、年金支払いの時効を停止する特例法案と社会保険庁改革法案とを抱き合わせ、これを日替わりで委員会・本会議にかけ、採決を強行しようとするなど、首相が、リーダーシップの発揮というより、暴走というべき挙に率先して出るに及んで、国民の政権に対する不安と不信は一気に深まった、というのが直近の事情だろう。
そして、6月の調査時点は、現職閣僚の初の自殺という異例の事件のあととなったわけだが、国民の多くは大きな衝撃を受けつつも、そうした事態を招いた首相、政権の責任をさらに厳しく問う考え方を、世論調査を通じて明らかにしたのだ。
この間、安倍首相はいったいなにをやってきたのだろうか。とにかく強気一本槍の暴走と、もう一つは、メディアが飛びつき、とくにテレビが繰り返し放送してくれそうな場面づくりと、そこへの「出演」ばかりが目立った。
5月19日、来年のサミット会場となる北海道の「ザ・ウィンザーホテル洞爺湖」を訪問、美しい湖と島を背景に、恰好いいホスト振りを想像させる映像をテレビに残した後、急いで帰京、夜は東京・浜松町の四季劇場に出向いてミュージカル「ユタと不思議な仲間たち」を鑑賞、出演者たちと握手。24日は、アマチュアであり、さらに史上最年少の15歳で、男子プロゴルフツァー、マンシングウェアオープンKSBカップに初出場し、優勝した石川遼君を官邸に招待、色紙を贈った。マスコミは優勝後の彼に、早速「ハニカミ王子」のあだ名を奉っていた。テレビのワイドショーが首相とのツーショットを何度も放送したが、首相が彼を招待した理由は、さっぱりわからなかった。
27日は明恵夫人とともにダービーへ。現役首相のダービー観戦は、祖父・岸信介元首相、小泉前首相につづく3人目。馬券も買い、夫婦そろって優勝が的中、上機嫌で馬主、騎手や俳優・織田裕二などと一緒に、優勝馬と並んでカメラに収まった。6月1日、朝の閣議は首相を筆頭に、閣僚全員そろって沖縄伝統の「かりゆし」を着用、「クールビズ」と決め込んだ。女性閣僚まで同じ恰好だ。これではまるで制服ではないか。午前中のワイドショーに始まり、午後のテレビ、夕刊と、映像や写真をみているうちに、ナチがはやらせた茶色の制服や、子どものときみた、隣組のおじさんたちの国民服を思い出した。4日になると、各紙朝刊に、笑顔の首相夫妻がモデルで登場する、一見電器メーカーの広告かとみまがう、温暖化防止の政府広報全面広告が掲載された。
これで首相の人気が回復し、内閣支持率が高まるものだろうか。きたるべき参院選における勝算のめどが立つのだろうか。むしろ逆効果ではないのか。こんな幼稚な、人気取り、みえみえの行動で支持率を高めようとしても、国民は、馬鹿にするな、もっと真面目に考えろと、反発を強めるだけであろう。こんな安っぽい人気取りにメディアがいいように使われているとは、メディアもなめられたものだ。
安倍政権が強気で進める政策は、一部の国民を騙す人気取りの方策としては若干の成功の余地はあるかもしれないが、政策が本来備えるべき、国民生活の平和と安全、豊かさと充実した福祉を約束する内容を満たすか、とする観点から検討した場合、すでにその多くの破綻は明白となりつつあるのではないか。だからこそ国民は、この政権に愛想を尽かし、支持率の激しい低下も生じているのではないか。メディアはそうした実態を直視し、この国と国民に今後、深刻な災厄をもたらしかねない安倍政権の危険を暴露し、即刻この政権に引導を渡すべきではないのか、と思えてならない。
◆未熟で独りよがりな安倍失政の内情に目をむけよ
5月18日、集団的自衛権の解釈を研究する有識者懇談会の初会合に臨み、首相は、「安全保障をめぐる環境はかつてと比べ、格段に厳しさを増した」ので、このような研究をする必要が生じたと、もっともらしい情勢分析を披瀝したが、噴飯ものだ。米ソ2大陣営が大量の大陸間弾道弾、核ミサイルを構え合い、常時対峙していた冷戦構造は10数年以上も前に崩壊、世界はかつてよりずっと安全になっているのが、歴史的事実ではないか。また、首相は、4つの類型の行動―米国に向かうミサイルの迎撃、並走する米軍艦船への攻撃に対する反撃、一緒に活動の多国籍軍への攻撃に対する反撃、国連PKO活動に対する妨害への武器使用―が、現行憲法のままでも自衛隊に可能かを研究してもらう、と課題を提起したが、過去のPKO等の経験や、昨年(06年)の日米外務・防衛担当閣僚協議での合意とそれに基づく在日米軍再編計画の内容に照らせば、4類型の全部は事実上、米軍の戦略に組み込まれ、その支援・協力のための行動とならざるを得ないのが実情だ。
こういう検討をやってみて、やはり改憲が先に必要だとなれば、国民投票法成立(施行は3年後)と一緒に成立し、いち早く来年から施行される改正国会法に基づいて国会内に設置される憲法審査会に、事実上の検討を委ねることもできる。あるいは、現行憲法の解釈変更でやれると押し切って、その後、どうしても不具合が生じるとなれば、現実に合わせて憲法のほうを変えるべきだ、と話を切り替えていくこともできる。いずれにせよ、厄介な9条改憲の先取り、前倒しができる、というのが政権と自民党の狙いであろう。
松岡前農水相を自殺に至らせた不作為と自殺後の対応も、責任ある任免権者、というより、普通のまともな大人だったら、到底できないものではないか。
KSD事件(収賄容疑)で参院議員(自民党)を辞職、実刑判決(控訴中)を受けた村上正邦元参院議員会長が、前農水相自殺直後のテレビで、「関係の団体だけでなく、地元まで検察の捜査の手が及んでいたんだから、もう巨大な化け物が自分のうえにのしかかってきたような感じを受けるようになっていたはずだ」と語っているのをみた。また、鈴木宗男衆院議員(新党大地)もテレビで、「今は黙っていたほうがいいと、上からの指示があるので、本当のことを話すことができない」と生前の前農水相から電話で聞いた、と語っていたが、これは各紙も報じた。そうして追い詰められ、彼は自殺したわけだが、その死にざまは、かつて大疑獄事件が起こると、役所の課長補佐が独り秘密を背負って自殺、キャリアの上役や大臣・有力政治家の身の安全を守ったのと、そっくりにみえる。松岡大臣自殺の10日前には、地元・熊本の後援会の元幹部、内野幸博氏が首吊り自殺を果たしている。そして大臣自殺の翌日、5月29日には、問題の緑資源機構の前身、旧森林開発公団の山崎進一元理事が、自宅マンションから飛び降り自殺を遂げた。
大臣の死が緑資源機構絡みの官製談合事件と関係あるのでは、とする疑惑に対して、安倍首相は、「捜査当局から『松岡大臣や関係者の取り調べを行っていたという事実もないし、これから取り調べを行うという予定もない』 と発言があったと聞いている。これはご本人(松岡大臣)の名誉のためにも申しあげたい」と述べたことを、各紙が報じたが、実に奇異な感じだ。松岡大臣の自殺前における捜査当局の取り調べの有無、あるいはその予定の有無は別にしても、その自殺直後、首相がこう断言すれば、捜査当局は、官製談合事件に絡んだ死後の松岡氏周辺の捜査・取り調べはできないことになる。これは政府最高責任者からの指揮権発動ではないか。
そして、松岡大臣の後任、新農林水産大臣に赤城徳彦衆院議員(自民党)を選んだ安倍首相のやり方にも子どもじみた好み、あるいはこだわりを感じざるを得ない。赤城新大臣は、故赤城宗徳自民党議員(防衛庁長官・農林大臣経験者)の孫で、宗徳議員は、安倍首相の祖父、岸信介議員と日本民主党(55年、自由党と合同、自民党となる)を創設した同志だ。徳彦新大臣は祖父の地盤を受け継いで衆院当選後、防衛庁副長官を歴任しており、今回は農水相だから、祖父の閲歴をそのままなぞっている感じだ。それは首相の政治的軌跡とそっくりだ。赤城新大臣は、首相の提唱する「価値観外交」を支持する「価値観議連」(価値観外交を推進する議員の会。5月17日発足。自民党中堅・若手議員ら43人で結成)のメンバーであり、小泉前首相の靖国参拝をを支持する「平和靖国議連」の会長代行でもある。自分の世代に近く、似たような経歴、思想信条をもつ政治家を好んで登用、近くに集めたがるのが、安倍人事の大きな特徴だ。それは俗にいう「内弁慶」のやり方ではないか。いい家の我が儘坊ちゃんのやることであり、いい大人がやることではない。
◆いつ「水に落ちたイヌは打て」のたとえを実行するか
価値観議連のメンバーは、従軍慰安婦について強制連行や日本軍の関与はなかったと主張する、「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」のそれとかなりの数、ダブっている。97年発足のこの会は、中川昭一現自民党政調会長が最初の会長で、当時は安倍首相が事務局長だった。また、安倍首相と同学の成蹊大学の先輩、古屋圭司衆院議員が副会長を務めていた。価値観外交は、「中国は共通の価値観をもつ国ではない」とする中国警戒論を特徴とするものだが、価値観議連はまた、参加議員たちが靖国参拝、皇室典範改定反対、民法772条(離婚後300日以内の嫡出児推定)擁護などの価値観を共有する点も、大きな特色としている。会長は古屋議員、顧問は中川政調会長で、首相側近の下村博文官房副長官、教育再生会議担当の山谷えり子首相補佐官も名を連ねている。価値観議連のメンバーには、右翼的な改憲団体・日本会議と連携する「日本会議議連」(日本会議国会議員懇談会。97年設立)の会員となっている議員も多数含まれている。古屋価値観議連会長は、日本会議議連の副会長でもある。
首相直属の教育再生会議は6月1日、第2次報告を決定、道徳の教科化のために「徳育」という新教科を設けることにしたが、首相とその側近たちは、これまでにみたような自分たちの思いつき、無定見、無知、未熟さは棚に上げ、仲間内だけで通用する雑多な価値観の混合物のなかから恣意的に道徳を見つけ、これを教室で教科として子どもたちに教えることを義務付けようというのだから、酷い話だ。こんなやり方を放置したままにすれば、日本は近い将来、安倍首相が嫌悪する「戦後レジーム」から抜け出すことにはなるだろうが、代わってとんでもない時代に入り、安倍首相好みの仲間内に入れてもらえない圧倒的多数の子どもたち、将来の国民は、たいへんな苦しみを舐めさせられることになるおそれがある。
幸い、安倍政権に対する国民の幻想は醒めつつあり、支持率は急落している。安倍政権を生み出し、それにすがりつくことにのみ執着する与党に、厳しい政治的審判が下せる参院選も間近だ。魯迅は「水に落ちたイヌは打て」といった。それは近い将来における禍の根を絶つためにも必要なことなのだ。いまメディアは、安倍政権の危険な体質、欺瞞的な政治手法について、事実をもって仮借なく暴露し、批判を加えていくべき、またそれができる、絶好の機会に遭遇しているのではないか。
1959〜60年、警職法・日米安保条約改定を提起し、強引な国会運営を図った岸信介内閣に対して、メディアの多くが「岸内閣打倒」「岸首相は退陣せよ」の論陣を張った。しかしいまは、どのような政治的イシューも、メディアがこのように単純明快に政権交代の是非についてキャンペーンできるような状況を、もたらさくなってしまった。だが、だからといって、そのことについて、いつまでも黙っていていいわけもない。
参院選間近ではためらわれるのだろうか。しかし、政権の側が理不尽な挑戦を国民にも、メディアにも仕掛けてきているのが実情だ。相手のいうことをじゅうぶん伝えたうえで、それに対して遠慮ない批判を加え、政権の存続そのものについても率直に考え方を述べることは、むしろ読者・視聴者に対するメディアの義務ではないだろうか。
(終わり)このページのあたまにもどる