醍醐聡/東大教授/特別会計の余剰金は「焼け石に水」ではない――「埋蔵金」論争の正しい決着のために(1)――
財政赤字の補てんや社会保障政策のための財源をどのように確保するのかをめぐって議論が沸騰している。その中で、世上、「霞が関の埋蔵金」と称されている特別会計の余剰金(定義は後述)を社会保障費等のための安定的な財源としてあてにできるのかどうかが、大きな争点の一つになっている。これについて、先の自民党総裁選で圧勝した麻生太郎新首相が景気対策のための一時的財源として特別会計の積立金を活用する考えを示したのに対し、与謝野馨氏は「埋蔵金」をあてにすることを一貫して戒め、次のように述べている。
「『埋蔵金』論争だが、あると証明した人もいない。楽観論を国民に与えてはいけない。現実にお金があるかないか、それは使っていいお金かも含めて、正直に政治が国民に説明する。妙な楽観論は日本の将来に好ましくない。」(『毎日新聞』2008年9月13日)
2008
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