水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)晩秋の尾瀬ヶ原② 16/10/19

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 この山の鼻で一休み。持参のみかんがうまい。一息入れて、尾瀬ヶ原に入る。木道がつながっている。ここは基本、右側通行だ。まず、最初の目標「三又」へ急ぐ。正面に日本百名山の一つ、燧ケ岳(ひうちがたけ・2,356M)が現れる。立派だ。

 振り返れば、これまた百名山の一つ至仏山(しぶつさん・2,228M)が聳えている。天気の良さに、その姿は一層映える。こんな燧ケ岳と至仏山を見たのは初めてかもしれない。尾瀬ヶ原の人気は、この二つの山の影響があると思われる。尾瀬の晩秋と二つの山を見せてもらって、至福の時であった。

【正面に立派な燧ケ岳】

【振り返れば至仏山】

 私はこの両山とも、5月のゴールデンウィークの雪の中を歩いた。燧ケ岳は尾瀬沼から取り付いた。このときは目の前に雪があり、〝雪のカベ〟を登っているような錯覚に陥った。

 燧ケ岳の山頂から「見晴らし」の小屋へ下る途中、道を間違え、小一時間、雪の中を彷徨した。単独行だったためちょっと怖かった。谷筋から稜線に上がるところにくくりつけてある目印のリボンを見落とし、直進したのが敗因。小屋の風呂がやけに温かかった。

 至仏山は、小至仏山から頂上までのトラバースをこわごわ歩いた。雪崩が起きないか不安だったからだ。ところが山頂の雪は、風で吹き消されていた。ばかりか、眼下の尾瀬ヶ原は白一色で、その広さを呆然と見惚れたものである。そんなことを思い出しながら歩いていた。

 「三又」の手前で、若い人がしきりにカメラのシャッターを押している。池に映った燧ケ岳を撮影しているのだ。早い時間帯だったことが功を奏したのだろう、水面は鏡のように穏やかで、これまた「逆さ燧ケ岳」がお見事だった。「明鏡止水」の現物版である。

【水面に映った燧ケ岳】

【逆さ燧ケ岳と私】

 写真を見ていただければ分かるとおり、尾瀬ヶ原は広い。実にひろい。すべて木道でつながれている。三又で一休み。反対側からやってきた人たちもここで休み、やや混雑気味に。(次回につづく)

★脈絡のないきょうの一行
北方領土問題が急浮上。返還が筋だが、返ってくると観光化で島の環境破壊が進むのでは?



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