水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)不透明の時代① 17/01/04
「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/
しばらく、ブログを休ませていただきました。他意はなく単なる休憩でした。今年もよろしくお願いいたします。
1970年代の後半、「不確実性の時代」という言葉が流行した。経済学者であり、ハーバード大学教授のジョン・ケネス・ガルブレイス(1908年10月-2006年4月)が唱えたものである。
当時は、ソビエトとベルリンの壁崩壊、米中接近、日中国交回復、冷戦停止、東欧独立などめまぐるしく変化していた。なかでも、中国では鄧小平の改革解放政策が断行され、その先行きが見えなかった。それらを称して〝不確実性〟と評したのである。
日本も例外ではなくバブル経済が崩壊し、〝ビックバン〟と言われる金融の再編成が行われた。その最たるものが、銀行の再編だった。13行あった都市銀行は4行に集約された。たとえば、「三和銀行」や「第一勧業銀行」がどことどう合併したのか、思い出すのに苦労する。
生活様式も大きく変わった。このころから始まった電子レンジやCDがこんなに普及するとは思わなかったし、パソコンは現代社会を席巻している。ケイタイやスマホはすでに人々のくらしに浸透しきっている。これらを見通して「不確実性」という表現をしたのかもしれない。
2017年、新しい年が始まった。〝不確実性の時代〟から40年。世界はどう動くのだろうか。中国は空母を太平洋に展開し、その軍備力を誇示している。アメリカはどこかの国の首相と同じように、メンタル的病気ではないかと思いたくなる大統領が就任する。お隣の韓国では大統領が弾劾された。イギリスではEU離脱が決まり、中近東の争いは激化の一途であり、テロ行為は各地に広がっている。
日本ではついに、〝駆け付け警護〟という名において、南スーダンに派兵された自衛隊に銃器の使用が認められた。殺し殺されることのなかった、戦後71年間つづいた平和に暗い影を落としている。破たんしたアベノミクスにより、経済はトンネルを抜けきれない状態が続いている。
これらを見るにつけ、私は不確実性の時代から「不透明の時代」に突入したのではないか、そう思わざるをえない。(次回につづく)
★脈絡のないきょうの一行
野党協力で逆転58選挙区(4日付毎日新聞)。14年の総選挙をもとにしたものだが、説得力は大。民進党、いや、連合どうする?