水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)不透明の時代④止 17/01/11

「ヘボやんの独り言」より転載 http://96k.blog98.fc2.com/

 いつの間にか、小ブログは1500回を超えていました。ご声援に改めてお礼を申し上げます。

 前回のつづきであるが、国際的な政治、経済状況を見てみよう。まずお隣の韓国。韓国国会は朴大統領の弾劾を決議した。大統領の職務は停止され180日以内に憲法裁判所がこれを認めたら失職する。現在はその手続き中であり、先は見えない。

 北朝鮮は、金正恩体制が強化され無法ぶりは目に余る。核兵器を所持している可能性は大きく、長距離弾道弾の開発は間違いなく進んでいる。体制に反対する者の排除は日常的に行われているようで、自由をはく奪された国民のくらしぶりは見えない。

 中国はどうか。日本との関係では尖閣諸島問題がある。あの石原東京都知事が、(それまでは私人が所有していた)島を買い取ると言い出したことをきっかけに、この問題が浮上した。神経質な問題であるだけに放置しておけばよかったものを、中国を刺激したのである。石原元都知事の(豊洲問題を含めて)罪と罰は小さくない。

 以来、尖閣諸島周辺は日中両国の船舶がけん制しあい、危ない関係に陥っているのはご承知のとおりである。中国は、初めて空母をつくり東シナ海から太平洋にそれを展開、戦闘力を誇示している。きな臭さを拭えない。

 中国国内で発生するPM2.5(微小粒子状物質)の問題は軽視できない。日本がかつて辿った企業優先の公害である。中国から届くその映像は、東京で起きたスモッグの比ではない。遅からず、いやもうすでに起きていると思うが住民の健康被害は広がる。その数も、東京大気裁判や水俣病をはるかに凌ぐものとなろう。これらが表面化すれば、中国経済は内部から危機に瀕する。

 アメリカはどうか。紙数は必要としない。今月20日にトランプ大統領が就任するが、アメリカ国内はその是非をめぐって分断状態にある。貿易摩擦もすでに勃発している。ISをはじめイスラム圏への対抗心は異常とも思える。〝核のボタン〟を押す権限を持っている大統領だけに、危惧は深まる。

 ヨーロッパでも異変が起きている。イギリスは国民投票でEU離脱を決めた。アメリカの大統領選挙同様に、想定外であった。ギリシャの財政破綻も含めて、EUに暗雲が立ち込めている。

 中近東では石油利権と宗教・民族対立は武力衝突を生み、収まる気配はない。アフリカ中部の南スーダンでは、前述したように内戦状態がつづいている。日露関係では、北方領土問題解決の見通しはなく、ロシアとウクライナも「宇露関係」という言葉が生まれるほど、小競り合いが続いている。

 いま、世界はどこで何が起きるか予測できない事態となっている。それはまさに「不透明の時代」であり、心せねばならない事由である。なかでも、過去の戦争が経済問題に端を発していることを考えれば、人類は改めて歴史を学ぶ必要がある。そのうえで、戦争だけは起こしてはならないという原点は何としても堅持しなくてはならない。

★脈絡のないきょうの一行
いつの間にか「新元号は改元の半年以上前に公表」(読売新聞)。天皇生前退位の議論中だったのでは?

 


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