水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)

「ヘボやんの独り言」より転載 

労働組合としての今年の課題⑥定年延長       18/01/12

 労働組合としての課題として次に、定年延長問題を考えたい。

 昨年11月に3大メガバンク(三菱UFJ、三井住友、みずほ)で「3.2万人減らし」が発表された。〝構造改革〟という名の人減らしだ。確かに、銀行はゼロ金利、マイナス金利のように厳しい環境にある。金利では食べていけないことから、手数料の増額や関連企業を通して不動産にまで手を伸ばしている。

 今度は本体そのものにメスを入れ、人減らしを行うというのだ。3.2万人という数は半端ではない。どういう方法をとるのか、そして銀行の業務はどうなるのか、興味はつきない。過日、ある争議団の解決を求めてその会社の筆頭株主の銀行に申し入れを行った。そのとき、この問題が話題になった。

 「首を切る、というようなことはしないでくださいよ」というこちらの要望に対して、対応した担当者は「そういうことは一切ありません。うちでは定年退職者の不補充でそれを行う予定にしています。ご心配はいりません」と断言した。なるほど、それはそれでいいだろう。しかし多くの企業は60歳定年制のままであり、年金をもらえる65歳までの再雇用はどうなっているのか、疑問だ。

 再雇用までを保証したうえでの「定年不補充」だったらまだいい。そうでなければ、60歳で放り出される人が続出することになる。へたをすれば派遣村ならぬ「定年村」さえ危惧する。若者の雇用と同時に、年金を支給されるまでの高齢者の雇用も重視する必要があると思う。

 そのためにどうするか、である。これははっきりしている。「定年延長」である。大企業も含めて多くの企業で定年は60歳になったままだ。これを法律で65歳にさせるべきだろう。現行は60歳で退職したときの再雇用制度を設けているだけで、それも企業の側が認めた人だけをその対象としている。これでは極めて不十分だ。

 雇用の安定は、働き始めたときから年金支給年齢まで保障すべきだ。いま、60歳から65歳までの人たちはある意味おびえている。再雇用にあたって、極端なところでは1ヶ月更新がある。長くても1年である。これでは雇用不安は拭えない。

 私自身はすでに70歳に達したのでその問題は〝クリア〟している。が、雇用問題を考えたとき、「65歳定年制」を実現すべきだ、と切に思う。


★脈絡のないきょうの一行
晴れ着詐欺「はれのひ」で賃金未払が発覚。これもひどい、許しがたいね。


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