水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)

「ヘボやんの独り言」より転載 

ICAN代表との面会拒否、問われる首相の品格   18/01/22

 安倍晋三首相はICANの事務局長との面会を拒否し続け、ついに実現しなかった。アメリカのトランプ大統領が「(大統領としての)適正に疑問がある」と言われることと同じように、日本の総理大臣も幼児性を越えて、首相としての適正さを疑いたくなる事件だった。

 ICANのフルネーム表示は「International Campaign to Abolish Nuclear Weapons」となり、和訳は読んでの通り「核兵器廃絶国際キャンペーン」となる。核兵器を廃絶するための国際的な組織であり、ご承知のように2017年のノーベル平和賞を受賞している。

 核問題についていえば、日本は〝アメリカの核の傘〟の下にあり、それゆえにアメリカの「核抑止論」を支持する立場をとっている。核抑止論は、核兵器を認めることを前提にしている。三段論法になるが、よって日本は核兵器を認めざるを得ないのだ。

 「日本は被爆国なのにどうして反核の立場に立たないのか」という疑問がよく出される。にもかかわらず、核兵器を支持しているのが今の日本政府である。これを変えさせるには、言い古された言葉だが〝政府を変える〟しかない。つまり、自民党政権を終わらせるしかないのである。

 さて、本題。そういう日本政府の考え方について、ICANの代表に説明すべきだったのではなかったか。もちろん、批判はされるだろう。しかし、日本政府が考えていることは、国際組織としての相手にきちんと説明すべきだった。それを門前払いしてしまったその態度は、核問題以前の〝人として〟の質、つまり品格を問われることになるのではなかろうか。

 それとも、説明できない別の問題があるのだろうか。たとえば、核抑止論を越えて「核兵器を持ちたい」という野望を抱いているとか。これまた、ありそうでイヤな予感が走る。原発の核燃料廃棄物から核兵器が作られることを考えれば、原発推進にこだわる姿勢も〝理解〟できるというものだ。

 もののついでで恐縮だが、北朝鮮が核を持ったことについて、あの人は羨ましがっているのではないか。それゆえに北朝鮮を異常なほど敵視しているのではないか。さらにもう一つ。彼には核兵器が使われた時、自らも死ぬという想像力がないのだろうか。だとしたらこの人は、首相としての適性はない、と断言できる。

★脈絡のないきょうの一行
関東地方に大雪警報がしつっこく出されている。Jアラートはやり過ぎだが、警報は許容範囲か。


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