水久保文明(JCJ会員 千代田区労協事務局長 元毎日新聞労組書記)
「ヘボやんの独り言」より転載
流氷ツアー報告の途中だが、〝割り込み〟をしたい。国税庁批判だ。昨日は上が上なら下も下、という思いを見せつけられた。「下」の神田税務署を訪ねたときのことだ。
昨3月13日は1970年からつづく「重税反対統一行動日」だった。今年は、520カ所・10万人が参加したという。千代田春闘共闘は例年、民商のみなさんと一緒に集団申告に同行している。今年もやった。行き先は神田税務署。税務申告と同時に、森友疑惑に関する文書改ざん問題について抗議、善処を促すことにしてあった。その行動に千代田春闘共闘を代表して私が参加した。
実は私、いま左足の膝を傷めており、5分と立っていられない。申し入れに際して、その旨伝え、「座ってやりたいので会議室を準備して欲しい」と要望した。いつもは、玄関先で立ち話しで申し入れ書を渡し、文章を読み上げて渡すのだが、今回はこちら側の体調が悪いことと、森友文書改ざん問題があり、そこのところを詳しく聞きたかったのだ。
ところが対応者は「空いている部屋はない。この場で(申し入れ書を)受け取りたい」の一点張り。「この税務署には会議室の一つもないのか」という質問に、「仮庁舎でありそういう場所はない」と答えた。
この対応、だれが信じるだろうか。税務署に会議室の一つもないなど、あり得ないではないか。「下」でも平然とウソをつく体質は、文書改ざんをした「上」と同じだ。押し問答のすえ、「あそこで」と指さしたのは玄関ホールに据えられた長椅子。来客が待ち合わせをする場所だ。
これが納税者としての〝お得意さん〟を遇する対応だろうか。信じられなかった。
民間では考えられない。たとえば、みずほ銀行。ここは明治乳業の筆頭株主である。その立場から明治乳業の賃金差別事件について解決に尽力してほしい、と何回も要請してきた。銀行としては直接関係ない争議だが、その度に部屋を確保して対応する。これがフツーなのである。
ところが、税務署はどうだ。上から目線でまるで「お前たちの話しを聞いてやるのだから」という態度丸見えである。長椅子で対応することに恥ずかしさはないのだろうか。私の膝の痛みは時間が経てば治る。これが、身障者が来訪してきたらどうするのか。あの人たちは同じ対応をするのだろうか。きっとそうだろうナと思った。
驚いたのはこれだけではなかった。申し入れ書を読み上げたあと「森友文書改ざん問題で、納税者から声はないか」と聞いてみた。この質問に「申告を受けるのは違う場所なので聞いていない」と答えたのだ。何をかいわんや、である。いま、一番大事な問題について何も聞いていない、というのだ。その危機感のなさに呆れ果てて議論する気にもなれず、申し入れを打ち切った。
文書改ざんを平気でやる上が上なら、納税者と直接対峙する「下」の対応もさもあらん、というところだ。税務行政の本来あるべき姿など、遠い、遠いところにあるようだ。改ざん疑惑、徹底して解明すべきだ。
★脈絡のないきょうの一行
森友文書改ざん問題、ここまでくれば安倍内閣総辞職でしょう。悪あがきはおやめなさい。