戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

東京五輪を即時返上せよ 17/08/16

明日へのうたより転載

 異常気象てある。関東地方は8月に入ってから16日間連続して雨。最高気温も25度前後。まるで梅雨のようだ。昨日は女房の運転でお墓参りに行ってきたが、帰途、猛烈な雨に見舞われた。今日も断続的に雨が落ちている。床屋に行こうと思ったんだけど、途中で降られるのは嫌なので様子を見ている。

 ということで今年は雨に祟られているが、例年なら炎暑のはず。2年後の7月末から8月初めにかけての2週間、東京でオリンピックをやるという。おれは最初から今回のオリンピック開催に反対だった。東京開催が決まったIOC総会で安倍首相が「福島の放射能汚染水はアンダーコントロールされている」と大見えを切った。大ウソである。日本の最高責任者が先頭に立って世界を騙すのは国際的犯罪行為だ。

 8月7日(月)の『毎日』夕刊、牧太郎のコラム「大きな声では言えないが」で「〝東京五輪病〝を返上」は実に小気味よかった。「東京五輪を返上しろ」なんて書いていいのだろうか、何度もちゅうちょした末に『サンデー毎日』の「牧太郎の青い空白い雲」に書いたら賛同の声があったという。

 「(返上の)最大の理由は『非常識な酷暑での開催』である。日本の夏は温度も湿度も高い。太陽の熱やアスファルトの照り返し、気温35度、もしかして40度で行われるマラソン、サッカー、ゴルフ・・・・自殺行為ではあるまいか。沿道の観客もむぶっ倒れる」。それにしてもなぜこの時期なのか。

 「アメリカの3大ネットワークの〝ゴリ押し〝を国際オリンピック委員会(IOC)が認めたからである。メディアの『稼ぎ』のために健康に最悪な条件でおこなう『スポーツの祭典』なんて理解できない」「安倍内閣は『東京五輪のため』という美名の下で人権を制限する『共謀罪』法を無理やり成立させた。東京五輪を口実に、民主主義が壊されようとしている」。――牧さんの指摘は鋭い。

 いま2020年の東京五輪開催へ向けて無理を承知の新国立競技場建設が進められている。ついこの前23歳の現場監督が過労自殺したばかりだというのに、早朝6時半からの現場労働者への教育訓練が行われている(8月9日付『赤旗』)。東京土建は早朝教育の是正を求めて抗議行動をしている。

 ついこの前もこの辺で震度3の地震があった。地震のない国からきた選手たちはびっくりすることだろう。もはやオリンピック開催には何の道理もない。「即座に返上」を提唱する牧さんに心から賛同する。