戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)
昨年12月16日付「週刊現代」の記事をネットで見た。あの籠池泰典氏の長男籠池佳茂氏(37歳)が「父母拘留4カ月。いくらなんでも酷過ぎる」と訴えている。この間家族さえ接見は許されず、外部と完全にシャットオフされている。大阪拘置所には暖房設備がないという。これはあんまりではないか。
「もうすぐ真冬ですから、母には厚手の靴下を差し入れています。母が父と同じように拘留されていること自体ありえないことです。接見禁止のまま拘留4カ月、はっきり言って囚人扱いですよ」「『これ自体が懲罰ではないか。日本の司法制度は中世並みだ』と言った人がいますが、本当にそうかもしれない」
「父も母も逃亡するはずはない。証拠隠滅する気もないから、逮捕はないと思っていた。下の妹は泣き崩れていましたが、夢を見ているようでした」「逮捕前、父は一貫して誠意ある対応をしてきました。国有地払い下げに関して、情報も資料も、出したものは全部父の側からです。政権からは一つも出ていない」
――11月20日、籠池夫妻は保釈申請を出したが却下された。「特捜部として総理が『詐欺』だと繰り返している以上、詐欺罪で立証して『総理の意向』とのあいだに整合性をつけなければならないのでしょう。これが日本という国の実態かと思うと愕然とします」「いま安倍首相をヨイショしている人たちの中には・・・自分も一歩間違えれば籠池のようになりかねないと。それは一種の恐怖政治なんです」
「(昨年)2月、安倍総理が国会答弁で『しつこい方だ』と手のひらを返すやいなや、保守団体・日本会議は『6年前に退会している』と言い出し、塚本幼稚園を素晴らしいと言っていた人たちも一気に離れていったのです」「(松井大坂知事に至っては小学校建設の地鎮祭に祝電までくれたのに)『籠池さんとは会ったこともない』なんて、よく言えたもんやなと・・・」
最後に佳茂氏は首相夫人明恵氏について「周囲から黙っているように言われてかなり苦しんでいると思うのです」とおもんぱかる。「幼稚園の園児たちの姿に本当に感動していたのですから」「思い切って本当のことをお話になった方が楽になるんじゃないでしょうか」。
おれは籠池某の思想も生き方も100%否定する立場だが、口封じのための長期拘留は絶対認められない。これは首相の犯罪を隠ぺいするための国家暴力だ。内幕を喋った籠池氏を牢屋に閉じ込め、白を黒と言い逃れした佐川とかいう男が国税庁長官としてのさばっている。世も末だ。