戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

ロッテ湧井投手の完封に感激 18/04/27

明日へのうたより転載

 
 昨夜のロッテ=楽天戦、湧井の快投に酔った。9回9三振、2安打、2四球、失点ゼロ、1対0の完封勝ち。3回表にロッテは2アウトから中村安打、4番井上のレフト、センター間のフライをオコエが落球、1塁から中村が一気に生還。それまでは折角のチャンスを併殺や牽制死で潰していたので貴重な1点だ。

 なんとか1点を守ってほしい。ところが5回の表、先頭打者の今江が得意のライト打ちでフェンス直撃の3塁打。お前元ロッテじゃねえか、手加減したらどうだ、とテレビの前で吠えるが当然先方には届かない。こりゃ同点だと覚悟したら次打者オコエが三振。もうオコエ様さまだ。次は前プロ野球選手会会長の嶋。2球目の低い球を無理な姿勢でバント。スクイズだったのだ。本塁寸前の今江がタッチアウト。

 かくして湧井は絶体絶命のピンチを脱したのでした。それからも投球は冴えわたる。圧巻は1対0の9回裏。一番岡島、二番茂木、三番ウィラ―を連続三振。マウンドを降り駆け寄るナインや井口監督に、ニコリともせず握手。ヒーローインタビューでも冷静そのもの。なんともシャイな男だ。

 湧井秀章投手1986年生まれの31歳。松戸の出身なんだよな。小学校は寒風(さむかぜ)小学校といって新京成松戸新田駅下車5分のところだからおれんちから自転車で行ける。中学は松戸市立第六中学校。これは八柱駅寄りだ。ちなみにうちの長女は五香駅近くの第四中学校に通った(関係ないか)。

 高校は野球の名門横浜高校。そのせいか湧井を神奈川出身だと思っている人が多い。2002年の選抜高校野球に出場。夏の大会では甲子園には行けなかったものの県予選で活躍した。2004年のドラフト会議で西武が1位指名。西武入団1年目の05年シーズンは1勝6敗だったが、06年12勝8敗、07年17勝10敗と頭角を現す。西武に9年いて2014年にロッテに移る。15年、16年には二桁勝利を上げ、エース投手の地位を確保した。しかし17年シーズンは5勝11敗と振るわなかった。

 17年11月8日、湧井はメジャー移籍を条件にフリーエージェント権を行使。いくつかの球団と接触したらしいが、結局折り合いがつかずにメジャー行きを断念。ロッテに残ることになった。この一連の経過は周囲でいろいろ取りざたされる以上に本人にとって辛いものがあったはずだ。まだ31歳の働き盛りだ。あの無表情の裏で無念さを噛み殺したであろうと推測される。まだ2勝と今シーズンも不本意な星だが、昨夜の投球をきっかけに、二桁投手へと目覚めることを切に祈る。