戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

3週間お世話になったバリよサヨナラ 18/06/08

明日へのうたより転載

 バリでの3週間が過ぎた。明日は深夜便で帰国だ。去年も7月に23日間滞在したが、前の10日間は新聞OBの仲間と、後ろの1週間は娘夫妻と孫たちと一緒。今回は3週間丸々1人だった。もちろんこのコテージのオーナー光森さん夫妻、マネージャーのボンさんがいるので全くの1人ではないが。

 もう一つの去年との違いは去年あんなに苦しんだ腰痛が治ったことだ。去年は約2キロの王宮まで歩くなんて考えられなかったが、今年は時間はかかったがちゃんと歩けた。バリの良さはやはり車の移動だけでは分からない。歩いて目で確かめなくちゃ。自転車もいいなと思ってボンさんに頼んだのだが「危ないからダメ」と一蹴されてしまった。ときどき自転車で道を走っている西洋人を見ると残念の感がある。

 バリの伝統芸能の筆頭は何といってもガムランとレゴンダンスである。今回は光森さんのおかげで世界に通用する最新の演奏と演技を堪能できた。5月25日、モダンな円形劇場で行われた若手ガムラン演奏家の新曲お披露目コンサート。ピアノとのコラボで、おれにはジャズ風のリズムに聞こえた。これからこの曲を引っ提げてヨーロッパの公演に出かけるそうだ。聴衆には高校生が目立っていた。

 6月2日にネカ美術館ホールで開かれた日本・インドネシア国交樹立60年記念行事も文化度が高かった。こちらはレゴンダンスだ。踊りての多くがデンパサールにある国立芸術大学の卒業生。大きく開かれた眼の中で踊る眼球、魔法使いのような指の繊細な動き。芸術音痴のおれもこれには酔いしれたね。

 バリの食い物の主力はナシゴレンとミンゴレン。ナシはご飯でミンは麺だ。要するにチャーハンと焼きそば。その周りに鶏肉や野菜が乗っている。そのほかではサテといって竹串に肉や魚のミンチを塗って炭火で焼いたもの、辛い魚のスープや玉ねぎ主体の天ぷらもある。ビールはビンタンビール。

 ネカ美術館のはす向かいにヌリーズワルンという店先で肉を焼いている老舗の食堂がある。ここのスペアリブが有名。ウブド食い歩き地図にも載っている。おれも食ったが、甘いタレが肉にしみ込んでいて美味。骨をしゃぶるともう一度旨さが口に広がる。これで12万ルピア。他に比べて高めの値段だ。

 ビラビンタンに着いた翌日からインターネットがつながったので、メールやフェイスブック、プロ野球速報などでパソコン相手の毎日。それでも人と直接会わないわけだからのんびりはできた。のんびりしすぎてのんびり疲れになったほどだ。明日はバリともさよなら。今度何時来れるかな。