戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)
5日前の日曜日にスマホを買った。おれの携帯は長いことAUだった。もう15年ほど前、せがれが新しいのにしたからとお古の携帯をおれにくれた。その機種が廃棄になってAUが引き継いだ。無料で新しいのに替えてくれるというので、ついでに女房と2人でAUを持つことにした。それが06年のことだ。
それ以来だから12年になる。このところどうも調子がよくない。こちらの話は伝わるのだが相手の声が聞こえないなんてことがしばしば起こった。女房の前でぼやいたら「わたしのもよ」と言う。それなら新しいのに替えようか、ということになった。といってもおれたちでは携帯の買い替えは心もとないのでお姉ちゃん(娘)に付き合ってほしいと頼んだ。日曜の午前中くらいに用が済ませると軽く考えていた。
11時に松戸駅で待ち合わせる。逢ったとたん「今までと同じガラケーでいいかそれともスマホにするか」決めろと迫る。おれはガラケーでいいと言ったのだが女房はスマホにしたいと言う。結局スマホにした。どこの機種にするか。2人の娘もせがれもソフトバンクだというので同機種にすることにした。
駅前のソフトバンクショップは混んでいて購入相談は午後1時だという。ちょうどお腹も空いたので「関宿」で鴨汁そばを食った。おれはビールの大瓶を飲む。眠くなるだろうが、30分もすればスマホを手に帰宅できるはずだ。「それから昼寝したらいい」。その考えが甘かった。
1時半に担当の女性に名前を呼ばれて椅子に座った。それから延々3時間余。いろんな書類を書かされ、AUに解約通告の電話までさせられてほとほと疲れ果てた。もっとも応対は娘と女房がやってくれて、おれはビールの酔いでうつらうつら。契約内容も2人にお任せだが、ソフトバンク側の営業目的は契約料やハードの値段でなくこれからの利用料にあることがどうやら分かった。
5時半にやっと帰宅。その夜は地元の飲み会に出かけたので、あらためてスマホと対面したのは翌日の朝食後。「かんたんガイドブック」とそれを映像にしたDVDを見ながら初歩的操作の習得に四苦八苦。当面必要な電話の授受だけはなんとかできるようになった。後はおいおい慣れていけばいい。
なにしろ今までの携帯のランニングコストは女房と2人で3000円だったが 今度は1万円を超える。余計な機能には極力関わらないようにしながらしこしこ付き合っていこうと思っている。