戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)
「トランプの差し金」を裏付ける記事を見つけた。夕刊フジのネット版「ZAKZAK」(11月24日配信)だ。「トランプ氏激怒!?『ゴーン斬り』に隠された国際事情・・・米仏一触即発か」。「単なる経済事件と思えない、国際的要因が絡んでいるとの指摘もある」というのだ。以下記事を要約する。
今年、トランプはオバマ政権下で締結されたイラン核合意から離脱し、経済制裁再開に踏み切った。これに英仏独が同調しなかった。仏国策会社ルノーのゴーンCEOは6月、定時株主総会で「わが社はイランでの活動の縮小を迫られても、イランから撤退しない」と明言。これはルノーの筆頭株主であるフランス政府の方針に沿ったものだと見られており、トランプは激怒したと伝えられている。
一方トランプはアジアで米中経済戦争を激化させている。その中国に対してゴーンは「中国は最も成長性のあるEV(電気自動車)市場だ」と言い切り、ルノー・日産グループによる中国への投資拡大を示唆した。トランプは日本企業の日産が、議決権を持つ43%株主のルノーに支配されることを極度に警戒する。アメリカの日本経済に対する支配体制が揺るぐ恐れがあるからだ。
日産はゴーン逮捕を受けて、ルノーとの持ち株比率を日産側に有利に変えようと動いている。日本政府も「日産の独立性」を守る立場とみられ、これはトランプの意向に合致する。
11月9日に行われた日米首脳会談の共同声明で「日米両国は、第三国の非市場志向の政策や慣行から、日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する」と強調。これを日産に当てはめれば、非市場志向型の中国から、米国に投資を振り向けさせようということになる。
――さてここからはこの記事を見てのおれの推理となる。日産に対するルノーの支配を弱めるということと、日産経営立て直しのカリスマ化したゴーンの影響を弱めることとは切っても切れぬ関係にある。ゴーンが逮捕され、日産と三菱自動車の会長を解任されたことは、時期的に見てまさにタイミングがよすぎる。トランプから何らかの要請があって安倍晋三がその線で動いた、という図式が考えられるのではないか。
なにしろ地検特捜部は東京も大阪もモリカケ疑惑で沈黙したアベ友グループだからね。何でもできるよ。とおれは思う。