戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)殿堂入り、清原ダメで原はパス? 16/12/02

明日へのうた]より転載

 1日付『毎日』スポーツ面を見て「ええっ」と思った。「原、中畑氏ら候補に」「野球殿堂 清原氏は外れる」。野球殿堂博物館が発表した2017年度の殿堂入り候補に原、中畑が入り、清原が外されたという。今年2月覚せい剤取締法違反で逮捕された清原が除外されるのは当然として、では原はどうなんだ。

 清原が殿堂入りできない理由は「スポーツマンシップに反する行為」を犯したからだという。それでは原辰則はスポーツマンシップの鏡だったのか。おれにはそうは思えない。以下3つの理由をあげる。

 第1は女性問題で暴力団に脅され1億円を払った事実があるからだ。スポーツマンだから聖人君子でいろとは言わないが、88年に巨人定宿先のアルバイト女性と深い関係になる。その後トラブルになり、女性は95年に失踪する。原との交際の証拠品が暴力団の手に入り、高額を脅し取られたというのだ。

 普通の家庭では1億円も取られたら家計崩壊だが原は何ともなかったらしい。被害届も出さず、そのまま隠しとおしていたのが巨人内部のゴタゴタのとばっちりで週刊誌が取り上げ、公に出てしまった。原自身も不倫を認め「私個人の不徳の致すところ。ファンの皆様、大変申し訳ありませんでした」と謝った。

 第2は去年のシリーズ終了間際に発覚した巨人内で行われていた野球賭博の問題である。この事件では元投手の笠原将生らが摘発され、笠原には今年10月、執行猶予付きの有罪判決が出た。このチーム内賭博行為はかなり大っぴらにやられていたとされている。監督の原が知らなかったわけはない。原は賭博発覚の寸前に突然監督退任を表明しさっさと野球界から姿を消してしまった。おれには怪しく映る。

 第3は13年5月に表に出た「飛ぶ統一球」問題だ。巨人はこの年、シーズン当初から快進撃。開幕1ヶ月の4月25日までの成績は18勝3敗2引き分けだ。実はシーズン初めから使用する統一球の製法が変わっていた。それを誰も知らなかった。知っていたのは読売のドンと原監督だけだったのではないかというのがおれの推理だ。誰もが統一球の変化を知るようになった後、巨人の成績はイーブンペースに戻っている。

 以上のような理由でおれは原元監督のスポーツマンシップに疑問を呈する。半分はおれの邪推かも知れないけどね。