戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)

世相診断7題 17/05/21

明日へのうたより転載

 トランプ米大統領が初の外遊でサウジアラビアへ。「サウジ 歓迎と不信感」「トランプ氏訪問 入国禁止令が影」(21日付『毎日』)。「彼がイスラムを敵視したことは、神にあらがう行為だ」と言われてはトランプ氏も楽じゃない。国内で叩かれるとすぐ外遊したがるのはどこかの国の首相と同じだな。

 「陛下 政府に不満」と1面トップの見出し(21日付『毎日』)。何のことかと読んでみたら、政府の有識者会議で自分のやってきたことが全然評価されないことに不満を述べた。彼は退位問題をを一代限りの特別立法でなく制度化してもらいたかったらしい。むしろ天皇制そのものを廃止したら・・・。

 身から出たさびとは言え、安倍さんも次々と疑惑発覚で大変だ。森友の次は加計学園。おそば屋さんじゃあるまいし「もり」の次に「かけ」とは何事だ。こうなったら安倍さん、誰かをカモにして「鴨南蛮」でも食わなきゃなんない。当面籠池で泳ぐ鴨を料理したいが、思ったよりしたたか。手こずる安倍さん、さあどうする。

 共謀罪法案が国会法務委員会で強行採決された。テレビの実況中継を見たが、維新の何とかいう若手議員の話ぶりに驚いた。まるで山口組の中堅幹部の口ぶりた。あんなのが国会議員として通用しているんだから世も末だね。あの強引な多数派のやり口を見ていると。あいつらを凶暴罪でひっくくりたい。

 北朝鮮に対するアメリカの挑発行為がエスカレートしている。「米空母、2隻演習へ」「北朝鮮の反発必至」(20日付『毎日』)。日本海で作戦展開中の米原子力空母カ―ル・ビンソンに加えて横須賀を基地にしているロナルド・レーガンも合同するというのだ。日米政府は北のミサイル開発を「重大な挑発行為」と大騒ぎしているが、どちらが超発しているのかと言いたい。ミサイル発射を待っているのか。

 「未来のための公共」という若者中心の団体がある。共謀罪が法務委員会で強行採決された19日夜、国会前にのべ1万人を集めて同法案廃案を求める集会を開いた。今日は若者憲法集会に合同して新宿中央公園からのデモに参加する。シールズは解散したがエキタスもがんばっているし、頼もしい限りだ。

 都議選で日本共産党は「共産党と自公の対決」をスローガンにする。確かに国政と違って都議会では野党共闘の芽はない。だからといって共産党だけが自公と対決していると強調するのはいかがなものか。ひと昔前の「自共対決」路線に先祖返りしたのかという誤解を受けかねない。表現にひと工夫必要だと思う。