戸塚章介(元東京都労働委員会労働者委員)
バリ島のロングステイから帰国して5日経つ。溜まっていた『毎日』と『赤旗』に目を通す。連合が残業代ゼロ法案の容認に転じ、組織内外から猛烈な反発が出て再び法案反対に。組合民主主義に基いた軌道修正との誉め言葉はどこからも聞こえない。いずれにしてもこれで連合の株が急落したことは確かだ。
郵便物を開封して捨てるものと保存するものを選別。後期高齢者医療保険料の決定通知。年額113,400円。それと介護保険料決定通知書も。こちらは81,000円。これが245万円の年金から天引きされる。年4回発行の毎日新聞社報。6月23日に開催された毎日HD株主総会の記事。後で読もう。
郵便物の中に、労働組合を解散するという「お知らせ」があった。政府系金融機関労働組合(政金労)が6月24日~25日に開かれた第22回大会で解散を決定したという。政金労は1998年、都労委に係争していた国民金融公庫(国金)の差別争議の中で生まれた。争議解決前の組合結成は珍しいと言われた。
国金には「国金発展会」という活動家の組織があった。1986年、この発展会が中心になって都労委に申立て、職場でもたたかってきた。国金には労組があり、70年代は民主的な組織だったが当局の支配介入で御用組合になった。発展会の活動家たちはいろんな議論を克服して政金労を結成したのだ。
「設立大会の議案書には『労働組合があっても闘う力がなければ不当差別や人権侵害は繰り返される。公庫の組織的系統的な不当労働行為の打破、公庫で働く仲間の健康といのちを守り、橋本行革(当時)と闘い、公庫の民主的発展のために闘う労組を目指す』との決意が記されています」。
「私達は『職場の労働条件の改善』『公庫業務の民主的発展』を組合運動の大きな柱として19年余り活動してまいりました。しかし、組合員が定年と再雇用契約切れでの退職により今年度で組合員数が3名となることから組合を維持することが難しく、やむをえず解散を決定することになった次第です」。
いわゆる潮流間差別争議の中で、労働組合を結成した例はそんなに多くない。今でも金融ユニオンとして活動している銀産労(静岡、東海、千葉、三和など)くらいになってしまった。差別反対争議は本来たたかう労働組合を取り戻すのが目的だったはず。それが果たせずこうやって姿を消すのは寂しい限りだ。